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2005年 4月 13日 [ トピックス ]

No.191-2:雅楽の全国組織「雅楽協議会」が発足


●『雅楽だより』で雅楽の情報を発信

 篳篥(ひちりき)や笙(しょう)、龍笛(りゅうてき)の雅びな音色に、古式ゆかしき舞‥‥‥。約1,300年と日本最古の歴史をもつ芸能で、能や歌舞伎などに大きな影響を及ぼした雅楽。近年、雅楽への関心が高まるなか、富山県福岡町の雅楽団体・洋遊会(ようゆうかい)などが中心となって、雅楽では初めての全国組織「雅楽協議会」が設立された。東京を中心に活動する日本雅楽会、東都雅楽会とともに1年がかりで準備を進めてきたもの。雅楽の演奏家や研究者、楽器・装束の製作者などが発起人、賛同人となって発足した協議会には全国から50を超える団体が加盟。今後、雅楽の振興、普及に取り組んでいく。
 活動として、雅楽に携わる人、興味のある人同士の情報交換の場、外部への情報発信の場として、情報紙『雅楽だより』を年4回発行し、将来的には全国的な交流演奏会や巡回講習会、また楽器製作者の支援事業などを展開していく予定だ。
 4月初めに発行された『雅楽だより』創刊号(A4版4頁)には、元宮内庁楽部首席楽長で日本芸術院会員の東儀俊美さんの祝辞をはじめ、大阪・四天王寺の聖霊会舞楽、厳島神社の桃花祭、伊勢神宮の春季神楽祭、愛知万博・平和へのハーモニー・愛がかなでるコンサートなど4月から6月までの雅楽演奏会のスケジュール、雅楽研究書、DVDなどが紹介されている。


●富山は全国でも有数の雅楽県

 富山県では、江戸時代後期から、神社や寺院の式楽などで民衆に雅楽が親しまれ始めたといわれ、現在、民間団体や神社・寺院付属の団体など、大小さまざまな雅楽団体が活動している。福岡町には雅楽器や装束、雅楽関係資料を展示した「雅楽の館」もあるなど、富山は全国でも有数の雅楽県となっている。洋遊会会長の上野慶夫さんは「富山で雅楽が昔から盛んな理由は、県人の篤い宗教心からといえます。神道や仏教では、大きな式典に雅楽を使うことが多く、神事・仏事の盛んな富山では雅楽の需要も多かったのです」と話す。
 洋遊会(前身:暢日連)は、文久元年(1861)に結成され、明治11年(1878)に北陸を行幸中の明治天皇に雅楽の五常楽(ごしょうらく)、越天楽 (えてんらく)を披露した由緒ある団体。天皇への披露をきっかけに福岡町では雅楽が盛んになり、宮内省との交流が生まれた。その後、洋遊会では、舞楽面、装束、楽器、古文書、楽譜などを収集し、数々の舞を習得。全国でも珍しい、舞楽を完全に行える民間雅楽団体として、京都の社寺に招かれるなどの活躍を続けた。戦後、町無形文化財に指定され、町内外で毎年定期公演を実施。平成12年(2000)には英国ヨークシャー州公演を果たし、大好評を博している。
 上野さんは「雅楽協議会、そして洋遊会の活動を通して、雅楽の魅力を多くの方に伝えていきたいですね」と今後の抱負を話している。




問い合わせ

●雅楽協議会世話人会
TEL.0424-51-8898
FAX.0424-51-8897

●洋遊会
TEL.0766-64-2038
FAX.0766-64-2281
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Kouen/8887/

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