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2005年 8月 17日 [ イベント ]

No.209-2:明治・大正浪漫の風が吹く−−−2005高岡山町筋土蔵造りフェスタ


 国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている高岡市の御馬出町(おんまだしまち)、守山町、木舟町、小馬出町(こんまだしまち)の山町筋一帯で、8月20日(土)・21日(日)、「2005高岡山町筋土蔵造りフェスタ」が開催される。

●土蔵造り家屋の一般公開や地場産品の展示・販売
 「2005高岡山町筋土蔵造りフェスタ」が8月20日(土)・21日(日)に高岡市の御馬出町(おんまだしまち)、守山町、木舟町、小馬出町(こんまだしまち)の山町筋一帯で開催される。

 同フェスタは、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定(平成12年選定)されている山町筋をPRし、地域を活性化させようと毎年開かれている恒例イベントで、18軒ほどの土蔵造り家屋の一般公開や高岡銅器、漆器などの地場産品の展示・販売、蒔絵体験、抽選で果物や新鮮野菜がもらえるスタンプラリーなどが行われる。20日は午後1時から9時まで、21日は午前11時から午後9時までで、夜には土蔵造り家屋などがライトアップされる。

 土蔵造り家屋でのイベントを紹介しよう。国重要文化財の菅野家と高岡市土蔵造りのまち資料館(旧室崎家住宅)では、打ち掛けをテーマに明治時代の色鮮やかな花嫁衣装を展示。国登録文化財の井波家では金箔押しと蒔絵体験コーナーが設けられる。若松家、太田家、防災センターでは「昔懐かし子ども時代の遊び空間展」が企画されており、ノスタルジックな雰囲気がいっぱいだ。若松家では昭和20〜30年代のお茶の間空間が再現され、越中富山の家庭薬の薬箱や紙風船、炊飯器、手動の脱水機が付いた洗濯機などが展示される。太田家では同年代の写真・絵ハガキを展示。豪雪時の様子やアーケード街など昔懐かしい写真が並ぶ。防災センターではおもちゃ・駄菓子展が催される。中村家での高岡漆器今昔展、羽岡家での影絵シアターなども必見といえる。

 このほか、大正期に建てられた赤レンガの銀行として山町筋のランドマークとなっている富山銀行本店の3階ホールでは、「第2回高岡・山町ポエム大賞」(20日)の表彰式や選者のねじめ正一氏の詩作教室、路面電車「万葉線」の写生展があるのも楽しみだ。

●土蔵造りの構造物は貴重な文化遺産
 山町筋は、慶長14年(1609)に加賀藩二代藩主前田利長が高岡に城下町を築いたおり、北陸道に面する商人の町として開かれた歴史をもつ。明治33年 (1900)に高岡の市街地の6割ほどを焼失する大火があり、以降、優れた防火構造をもつ土蔵造りの建造物が山町筋などの繁華街に建築された。

 いまに残る土蔵造りは、黒瓦葺きに黒漆喰塗りの外観に、柱頭をアカンサスの葉などで装飾した鋳物の鉄柱、数寄屋風仕上げの内部と、重厚さと繊細さが調和した見事な建造物だ。土蔵造りを建築するには、熟練された職人の伝統技術と多額な費用が必要で、現代ではなかなか再現することはできない。近世から近代にかけて高岡の商業による富の蓄積の大きさを象徴するものとして、また大火後の都市再建のための記念碑としても貴重な文化遺産となっている。

 山町筋では平成13年から土蔵造りの町家をはじめとする伝統的建造物などの修理・修景が行政と住民の協力で進められている。フェスタでは、土蔵造りの文化財としての魅力、特長などを紹介しようと、20日・21日の両日の午後4時から1時間ほど「町並み探検隊」のイベントも企画されている。専門家の説明を聞きながら町歩きが楽しめるので是非参加してみたい。




問い合わせ
●高岡山町筋土蔵造りフェスタ実行委員会・高岡町衆サロン
TEL.0766-20-0555
FAX.0766-20-0666
http://yamacho.takaoka.net/

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