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2005年 8月 24日 [ トピックス ]
No.210-2:「まんが甲子園」で日本一、県立高岡工芸高校
高知県高知市で開かれた全国高等学校漫画選手権大会「まんが甲子園」で富山県立高岡工芸高校が最優秀賞を受賞し、日本一に輝いた。8月6日(土)、7日 (日)の本選大会には、全国から招待された30校が出場。第1次競技と敗者復活戦を経て、富山県内の高岡工芸高校、富山第一高校、富山国際大学付属高校を含む20校が決勝戦へ。与えられたテーマを漫画で表現し、熱い戦いを繰り広げた。
●高校生の自由な創造力と感性、エネルギーがほとばしる
高知県高知市で開かれた全国高等学校漫画選手権大会「まんが甲子園」で富山県立高岡工芸高校が最優秀賞を受賞し、日本一に輝いた。メンバーはデザイン科の3年生で、伊勢呂秋菜さんをリーダーに角田春香さん、加納阿佐美さん、長澤朋美さん、村谷香奈さんの5人。ストーリーを組み立てる者、漫画を描く者など、役割分担を決め、チームワークを大切に全国の頂点に立った。
この大会には全国から300校が予選に応募。第1次予選審査で100校が選抜され、第2次予選審査で本選出場30校が決定。本選大会では、出場した30 校のうち、第1次競技と敗者復活戦を経て20校が決勝戦へ。決勝戦には富山県内から高岡工芸高校、富山第一高校、富山国際大学付属高校の3校が進み、与えられたテーマを漫画で表現し、熱い戦いを繰り広げた。
決勝戦のテーマは「本物」。高岡工芸高校の作品は、入社試験で試験官を前にして作り笑いを浮かべた学生が、帰り道でお母さんと手をつないでうれしそうにしている子どもの笑顔を見て、自省するシーンを描いたもの。「本物」は子どものあどけない笑顔だということを表現した。審査委員長のやなせたかしさん(漫画家)は、「本当の笑顔を見て、良心の呵責を感じるという発想が良かった」と高く評価した。
●ヒューマニティーを感じさせる作品
高岡工芸高校の顧問・太田広信教諭(デザイン科)は「漫画のストーリーを組み立てるには、日ごろから新聞などを読み、人や社会をどのように見て思っているか、感じているかが大切です。今回の作品は技巧的ではありませんが、ヒューマニティーを感じさせるいい作品に仕上がりました」と生徒の活躍に目を細めている。
高岡工芸高校は明治27年10月に県工芸学校として創設され、今年で111周年を迎える工業・工芸系学校の伝統校だ。ものづくりの街高岡にふさわしく工芸科やデザイン科など、ユニ−クな学科が設けられており、県内各地から生徒が通ってくる。
卒業生は多方面で活躍しており、漫画家や絵本作家では『ドラえもん』の作者・故藤子・F・不二雄さんをはじめ、『きまぐれオレンジロード』のまつもと泉さん、宮崎駿監督の映画『ハウルの動く城』の原作本の挿絵を担当した挿絵装画家の佐竹美保さん、「紙しばい風まんが絵本」の制作で知られる絵本作家の山道志穂子さんなどがいる。
高校としては珍しく、美術館<青井記念館美術館:寄贈青井忠治氏(大正11年卒業、丸井デパート創始者)>を併設している点も特筆だ。収蔵作品は、昭和 27年創校当時に教材として青井氏からゆずりうけたものや、教職員の作品、生徒の卒業制作など、600点以上を数える。在校生はここで美術作品に触れ、感性を磨く。まんが甲子園日本一の快挙は、こんなバックボーンも支えとなって成し遂げられたのかもしれない。
問い合わせ
●富山県立高岡工芸高校
TEL.0766-21-1630
FAX.0766-22-1631
http://www.tym.ed.jp/sc350/html/index/index01.html