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2006年 1月 18日 [ トピックス ]
No.231-1:富山発の取り組み−−−日本海沿岸の海洋ゴミ対策
昨年11月24日〜26日、日本、中国、韓国、ロシアの4カ国が参加する北西太平洋行動計画(NOWPAP)の第10回政府間会合が本部事務局のある富山市で開催され、環日本海の4カ国に広がった海洋ごみ対策を活動の柱に加えることが決まった。(財)環日本海環境協力センター(NPEC)では、日本海沿岸の海洋ごみ対策の一環として、毎年「日本海・黄海沿岸の海辺の漂着物調査」を実施している。
●環日本海環境協力センターの呼びかけでスタート
昨年11月24日〜26日、日本、中国、韓国、ロシアの4カ国が参加する北西太平洋行動計画(NOWPAP)の第10回政府間会合が、本部事務局のある富山市で開催され、環日本海の4カ国に広がった海洋ごみ対策を活動の柱に加えることが決まった。
近年増加している海岸での漂着ごみなどを対象に、今後2年間で排出抑制に向けての戦略を決め、共同調査の手法の確立や、行政、民間団体の一層のネットワーク化などを図り、4カ国が連携して排出抑制に取り組むとしている。
日本海沿岸の海洋ごみ対策の一環として、1996年度に富山県の主唱によって海辺の漂着物調査がスタート。翌年に創設された(財)環日本海環境協力センター(NPEC)では、日本海の漂着物の汚染実態を明らかにするため、日本海側の自治体や対岸諸国に呼びかけて、毎年「日本海・黄海沿岸の海辺の漂着物調査」を実施。
当初10自治体の連携・協力により、16海岸で始められた調査は、1997年度には新たに3道府県のほか、韓国、ロシアの自治体が参加し、日本海沿岸の国際共同調査に発展。2005年度には、日本の16道府県の26海岸、ロシアの2地方、1州8海岸、韓国の3道6海岸、中国の4省14海岸、4カ国合わせて26自治体、54海岸で調査するまでに至った。NOWPAPが今後行う共同調査では、これまでの手法を踏襲し、さらに充実させる考えだ。
●海洋ごみ調査は環境教育の場
(財)環日本海環境協力センター(NPEC)では、昨年9月と10月に小中学校の児童、生徒、老人クラブなどの参加を得て、富山県内の4カ所(高岡市の松太枝浜、氷見市の島尾・松田江浜、朝日町の宮崎・境海岸、富山市の岩瀬浜)で海辺の漂着物を調査した。
この調査の結果は、今後の海洋環境保全、廃棄物対策、漁場保全対策などを推進する基礎資料となるだけでなく、調査への参加を通して、沿岸地域の住民が「ごみを捨てない心、海の環境を守ろうとする心を育む」環境教育の場ともなっている。
調査方法は、漂着物の場合、砂浜に縦横10mの区画を設定し、区画ごとに収集した漂流物をプラスチック類、ゴム類、発泡スチレン類、紙類、布類、ガラス・陶磁器類、金属類、その他の人工物の8種類に分類。それぞれの個数及び重量を測定する。埋没物の場合、縦横40cmの正方形の枠を砂浜に置き、枠内の砂の一定量をバケツに採集する。そのあと、バケツの中に海水を入れて撹拌し、浮上したプラスチック粒子などをネットでとらえる。そしてサイズごとに分類し、個数及び重量を測定する。
平成17年度の漂着物調査の結果は現在取りまとめ中だ。ちなみに平成16年度では4カ国25自治体、51海岸で100m2当たり平均369個、2,931gだった。
(財)環日本海環境協力センター(NPEC)ではNOWPAP RCU富山事務所と連携・協力して、同センターの調査研究事業や海洋汚染など海洋環境保全をテーマにした出前講座「環日本海・環境保全いざない教室」を始め、富山県内での出前講座の講師派遣を受け付けている。
問い合わせ
●富山県生活環境部環境政策課
TEL.076-444-8727
FAX.076-444-3480
http://www.pref.toyama.jp/cms_cat/109010/
●(財)環日本海環境協力センター
TEL.076-445-1571
FAX.076-445-1581
http://www.npec.or.jp/