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2005年 12月 28日 [ トピックス ]

No.228-2:富山大学、医薬理工を融合した新大学院創設へ


 富山県内の3つの国立大学を再編統合し、今年10月に新たなスタートを切った富山大学。来年4月には、現行の大学院医学系研究科、薬学研究科、理工学研究科を統合・改組して、3つの教育部と2つの研究部が設置される。

●大学院に3つの教育部
 富山県内の3つの国立大学を再編統合し、今年10月に新たなスタートを切った富山大学。来年4月には、現行の大学院医学系研究科、薬学研究科、理工学研究科を統合・改組して、3つの教育部(生命融合科学教育部、医学薬学教育部、理工学教育部)と2つの研究部(医学薬学研究部、理工学研究部)が設置される。

 近年の新技術の開発や医療機器の発達には目覚ましいものがあり、医学、薬学、理学、工学の学問分野が相互に連携し、総合的な視野から複合的な分野に対応できる人材の育成が求められている。大学院を改組・統合することで、医薬・理工融合領域と生命科学を中心とした最先端科学までアプローチする学問領域を創造し、知による豊かな社会の創造に貢献することを目指すという。医学、薬学、理学、工学の4分野を融合した大学院は全国的にも珍しく、最先端の研究に取り組み、世界レベルの成果を発信することが期待される。

 生命融合科学教育部は博士課程のみで、医学薬学教育部、理工学教育部は修士、博士課程が設けられる。これまで縦割りだった大学院組織で横断的な教育、研究を実現するため、医学、薬学、理学、工学の修士課程を終えた学生は三教育部いずれの博士課程にも進むことができる点も特徴といえる。

●地域・世界に貢献できる付加価値をもった人材を育成
 新大学院の目玉となるのが、新設の生命融合科学教育部だ。医療、創薬、福祉の分野では日々技術や機器の発達が著しい。生命工学技術の発展や、高度な医療バイオ機器の開発、創薬に必要な計算化学・合成技術、薬品製造技術の進歩には、医学・薬学領域に加え、理工学の認知情報科学、生命工学、電子情報・機器工学、ナノテクノロジー新技術などが必要となっている。そこで、生命融合科学教育部では、最新の生命科学を基盤とする医学薬学領域と、医療に必要な電子計測システムや精密機械を開発する分野、脳・神経系における情報伝達処理方法をシミュレートしその利点を応用する分野など、理工学の領域を融合させ、最先端の学際教育・研究を行う。

 生命融合科学教育部では、「認知・情動脳科学」、「生体情報システム科学」、「先端ナノ・バイオ科学」の3つの専攻を設ける。認知・情動脳科学専攻では、先進諸国で急速に問題化しつつある精神障害や情動・行動異常について、基礎医学の専門分野や、臨床医学、人文社会学など学際的な研究アプローチからとらえ、対処できる高度医療人、先端的な脳科学者を育成する。生体情報システム科学専攻では、生命現象や遺伝子情報などを分子、細胞から組織レベルで研究し解明する先端生命科学研究者をはじめ、生体機能計測などの機器を設計開発できる最先端研究者、高度医療機器・最先端の情報工学を活用できる高度技術者、薬剤師を育成する。先端ナノ・バイオ科学では、医学・薬学分野と生命科学・物質科学分野との接点であるナノ・バイオ領域科学を担う先端研究者を育成する。

 新大学院の創設は、脳をはじめとする生体機構の一層の解明やポストゲノム時代のバイオテクノロジーの研究、次世代医療のための医療機器・計測通信技術の開発、ナノテクノロジーを用いる新規医用材料の開発といった新研究拠点としての役割も期待されている。

 なお、平成18年度富山大学大学院の学生募集要項は発表されており、出願期間は平成18年1月23日(月)〜27日(金)<消印有効>。選抜試験は2月15日(水)、富山大学五福キャンパス、杉谷キャンパスで行われる。




問い合わせ
●富山大学学務部教務課
TEL.076-445-6097
FAX.076-445-6094

<「募集要項に関する問い合わせ」について>
http://www.u-toyama.ac.jp/jp/ex/graduate/

●大学院 生命融合科学教育部(博士課程)
学務部入試課
TEL.076-445-6100

●医学薬学教育部(博士課程・修士課程)
杉谷地区事務部教務・学生課
TEL.076-434-7138

●理工学教育部(博士課程・修士課程<理学領域>)
理学部教務係
TEL.076-445-6546

●理工学教育部(修士課程<工学領域>)
工学部教務係
TEL.076-445-6701

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