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2005年 10月 12日 [ トピックス ]
No.217-2:チューリップの新品種「紅ずきん」誕生
チューリップ球根の生産量日本一を誇る富山県に愛らしいオリジナル新品種「紅ずきん(べにずきん)」が仲間入り。4月下旬から5月上旬に開花する晩生大型品種で、この品種群には少ない、濃橙赤色(オレンジ系)の花色をもつことや、土壌伝染病害に強いことが特徴だ。来年4月下旬から5月上旬に砺波チューリップ公園で催される「2006となみチューリップフェア」で一般公開される。
●濃橙赤色(オレンジ系)の花が愛らしい、一重遅咲きの新品種
チューリップ球根の生産量日本一を誇る富山県から愛らしいオリジナル新品種の話題を紹介しよう。富山県農業技術センター野菜花き試験場(農林水産省球根育種指定試験地)で育成されてきたチューリップ「紅ずきん(べにずきん)」が新品種命名登録(農林登録)された。登録番号は「チューリップ農林27号」。
「紅ずきん」は4月下旬から5月上旬に開花する晩生大型品種で、この品種群には少ない、濃橙赤色(オレンジ系)の花色をもつことが特徴だ。また、開花時の茎長は45cmを超えるが、茎葉ともに強健で葉の着生バランスがよく、球根腐敗病や微斑モザイク病、条斑病といった土壌伝染病害に強いことも特徴で花壇用に適している。
育成が始まったのは1984年で、花色が桃紫色で茎葉強健な「ナーシカオ」を種子親、黄色の品種「ミセス ジョン T シーパース」を花粉親として交配。99年に「砺波育成112号」の系統名が付けられ、02年から3年間の系統適応性試験などの成績が優秀だったことから、今年4月に農林水産省へ新品種としての命名登録申請が行われていた。命名登録(農林登録)は、農林水産省及び同省が指定する試験場において育成された有望な系統について、同省の新品種命名登録審査会で検討したうえで農林水産大臣が行うもの。これとは別に、県では育成者の権利保護のために種苗法に基づく品種登録も出願中だ。
●「2006となみチューリップフェア」で一般に初公開
県では、「紅ずきん」を花壇用の主力品種となるように球根の増殖を進め、品種登録後は県内チューリップ球根生産農家に速やかに普及させる計画だ。「紅ずきん」は球根の太りがよく、収量も多いなど、安定した生産が可能とあって生産農家から期待されている。
なお、来年4月下旬から5月上旬に砺波チューリップ公園で催される「2006となみチューリップフェア」では、「紅ずきん」の愛らしい姿が一般向けに初めて公開されるので楽しみにしたい。
県農業技術センター 野菜花き試験場では、「紅ずきんの開花はGWあたりで、晩生大型品種には少ない濃橙赤色の花色が楽しめます。数年後、白色の花をもつ白ずきんとセットで市場で流通してほしいですね」と話している。
これまでに県で育成し、農林登録した富山生まれのオリジナルチューリップは、「黄小町(きこまち)」、「初桜(はつざくら)」、「白雪姫」、「春万葉」、「白ずきん」など26品種あり、県内の栽培面積150ha(2004年)の約23%を占めている。「道の駅・フラワーランドとなみ」では、「とやまオリジナルセット(オリジナル4品種24球入り)」の販売も行っている。(問い合わせ先:TEL 0763-32-9911 http://www.flt.co.jp/)
10月中旬から11月がチューリップの植付時期。富山の愛らしいチューリップの姿を楽しみに春の訪れを待ってみてはどうだろうか。
問い合わせ
<「紅ずきん」に関する問い合わせ>
●富山県農業技術センター 野菜花き試験場
TEL.0763-32-2259
FAX.0763-33-2476
http://tulip.agri.pref.toyama.jp/