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2021年 6月 9日 [ トピックス ]

No.1002:「富山防災WEB」で富山県の注意報、警報を一早く

近年、地球温暖化の影響などにより、全国的に水害などの自然災害が増えている。富山県内の防災情報は「富山防災WEB」でチェックを。2022年秋に供用開始(予定)となる「富山県防災・危機管理センター(仮称)」の話題なども紹介しよう。

●高齢者等避難、避難指示、緊急安全確保など5段階の警戒レベルで


▲富山防災WEBのトップ画面

梅雨の季節到来。「富山防災WEB」では、注意報や警報、避難情報、避難所情報、雨量情報、土砂災害・河川情報、ライフライン情報、各市町村ハザードマップなど、防災に関する情報を一元的に見られるように掲載しているので、チェックしよう。同WEBは、各種情報が一目でわかるようにデザイン、アイコンが工夫されている。海外からの観光客、移住者などに対しては、翻訳システムを活用して、7言語<中国語(簡体字、繁体字)、ベトナム語、ポルトガル語、英語、韓国語、ロシア語>に対応し、利便性を高めている。

このほど改正された災害対策基本法のポイントも紹介している。今回、市町村が発令する避難情報が大きく変わった。 警戒レベル4にあたる「避難勧告」と「避難指示」の併用を改め、「避難指示」に一本化。「避難指示」で全員避難となった。警戒レベルはそれぞれ、警戒レベル3「高齢者等避難」、警戒レベル4「避難指示」、警戒レベル5「緊急安全確保」の表示に(※警戒レベル1「早期注意情報」、警戒レベル2「大雨・洪水・高潮注意報」)。避難指示は、これまでの避難勧告のタイミングで発令されるので注意が必要だ。

●地域防災力アップへ 富山県防災・危機管理センター(仮称)


▲富山県防災・危機管理センター(仮称)
イメージ図

「富山県防災・危機管理センター(仮称)」が2022年秋に供用開始予定。富山県の防災・危機管理の中核施設、地域防災力の向上を図るための施設となる。地上10階・中間免震構造で、防災・危機管理機能を2階以上に配置することで耐浸水性を確保。停電や給排水途絶時に施設運営に必要なライフライン(電気、給排水、燃料など)の自立機能・代替機能を備えている。この他、情報を収集し、迅速・的確に応急対策方針を決定するため、災害対策本部室(オペレーションルーム)に映像情報システムを導入する。屋上階には、広域応援部隊の受入れや支援、物資の受入れ、運搬などに使用するための屋上ヘリポートを設ける。

賑わいの創出、防災意識の高揚、子育て環境の整備など、広く県民活動に資する施設を目指し、エントランス広場、展示・交流スペース、県庁内保育所なども設ける予定。また、松川べり、富山城址公園など施設周辺の景観との調和にも配慮した外観とし、春には施設のテラスから松川べりの桜を見ることができる。

●世界に類を見ない過酷な環境での砂防


▲マイ・タイムライン作成シート

比較的災害が少ないといわれる富山県だが、「立山砂防」など明治期以来、先人たちの努力があったからこそ今があることを忘れてはならない――。富山県は、北アルプス・立山連峰から富山湾まで高低差4,000mのダイナミックな地形を有し、世界的に見ても急流河川が多い。そのうちの1本、常願寺川。その上流部には、「立山カルデラ」と呼ばれる、東西6.5km、南北4.5kmの楕円形の巨大な窪地が広がる。1858年の「安政の大地震」により大鳶山、小鳶山が崩壊、形成された天然ダム決壊による大土石流が富山平野を襲い、判明しているだけで、死者140人、負傷者8,945人の大災害となった。立山カルデラにはいまも約2億㎥という富山平野を高さ2mほどで被い尽くすほどの崩壊土砂が残されているとされる。

人々の生命と財産を守るため、1906年から県営砂防事業が始まり、1926年からは国直轄として砂防事業が行われている。立山カルデラには、歴史的砂防施設群が存在し、そのうち白岩堰堤、本宮堰堤、泥谷堰堤は「常願寺川砂防施設」として国の重要文化財に指定されている。なかでも白岩堰堤は、カルデラ出口にある基幹砂防堰堤で、本堰堤の高さは63m、副堰堤を合わせた総落差は108mとなり、ともに日本一の高さを誇る。

富山県防災・危機管理課は「富山防災WEBを活用して、スマートフォンやパソコンで県内の災害情報を一早く入手し、もしものときの行動に役立ててください。また、近年、頻発化する自然災害の発生を受けて、『ふるさと富山風水害防災ハンドブック』と、迅速な避難行動につながる『マイ・タイムライン作成シート』を作成しました。このシートを使って防災行動について事前に整理し、備えることができるので富山防災WEBからダウンロードし、ご活用ください。」と話している。

問合せ
●富山県危機管理局 防災・危機管理課
TEL.076-444-3187
FAX.076-432-0657
<富山防災WEB>
http://www.bousai.pref.toyama.jp/

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