トピックス

アーカイブ

2018年 5月 23日 [ トピックス ]

No.857:「世界で最も美しい湾クラブ」総会、2019年10月に富山県で開催決定

 今年2018年4月19日、「世界で最も美しい湾クラブ」第13回総会がフランスのラ・ボール市で開かれた。総会には本県の石井知事も出席し、富山県の魅力をプレゼンテーションでアピール。来年2019年10月に第15回総会を富山県で開催することが正式決定された。日本での総会は初めてで、世界への富山湾の魅力発信、誘客に期待が高まっている。併せて、道の駅「雨晴(あまはらし)」(高岡市太田)が富山湾岸にオープンした話題も紹介しよう。

●日本初となる総会、富山湾の魅力発信


▲雨晴海岸から望む立山連峰

 「世界で最も美しい湾クラブ」(本部:フランス・ヴァンヌ市)は1997年に設立。湾を活用した観光振興と資源の保全を目的として活動する非政府組織(NGO)で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が後援している。世界遺産のモンサンミッシェル湾(フランス)、ハロン湾(ベトナム)などが加盟する。No.683でも紹介したとおり、富山湾は2014年10月、37番目に加盟。今回のフランスでの総会では、九十九島湾(長崎県)、エイラート湾(イスラエル)の加盟も認められ、加盟湾は日本国内5湾を含む43湾(25カ国と1地域)となった。

 同総会には16カ国 31湾の関係者約100名が出席。石井隆一知事が総会開催正式決定のために必要とされるプレゼンテーションを行い、英語で万葉歌人・大伴家持にも詠まれた海越しの立山連峰の絶景や、蜃気楼、埋没林、ホタルイカなど、珍しい自然現象や生態系がみられる神秘の海・富山湾の魅力を紹介した。併せて、伏木富山港や新湊マリーナなどのインフラ整備、湾岸サイクリング大会や国内最大級のヨットレース・タモリカップの開催、県民総ぐるみの環境保全活動、国連機関・NOWPAPや北東アジア地域と連携した国際環境協力など、富山湾の活用・保全の取組みを説明した。


▲石井知事の
プレゼンテーションの様子(左)
▲美しい富山湾クラブの旗を掲げ、
フランス・ヴァンヌ市の
目抜き通りをパレード(右)

 また、本県の自然や観光面での魅力もアピール。『ミシュラン・グリーンガイド』で三ツ星を2つ獲得した山岳観光地「立山黒部」の自然や環境保全、歴史文化をはじめ、世界遺産五箇山合掌造り集落や国宝瑞龍寺、富岩運河環水公園、富山県美術館、ドラえもん、産業観光、ユネスコ無形文化遺産登録の祭り、利賀での世界的な演劇祭(SCOT)など豊富な観光資源のほか、“天然の生簀”と呼ばれる富山湾の新鮮な海の幸や富山湾鮨、地酒など食の魅力をアピール。さらに、天皇皇后両陛下ご臨席の下に開催された「全国豊かな海づくり大会」や「全国植樹祭」、首脳国の環境大臣らが一同に会し、本県の実績が評価され、国際的に取組む「富山物質循環フレームワーク」が採択された『G7富山環境大臣会合』などにおける富山湾の魅力の発信事例なども紹介した。

●富山ならではのおもてなしで、世界からの参加者を歓迎

 石井知事のプレゼン後、総会決議で、2019年秋の総会の富山県開催が全会一致で決定。石井知事は「富山湾の湾クラブ加盟5周年の節目の年を迎える2019年に日本初となる総会が富山県で開催されることは誠に名誉なこと。富山県総会の開催を契機に、国際的に豊かで美しい富山湾のブランド価値を高め、さらなる観光振興・地域活性化につながるよう、しっかり取り組んでいきたい」と語った。県は国内初の総会の誘致に向け、石井知事が昨年8月、フランスで湾クラブのメイラ理事長と面談したところ、2019年総会の富山県開催の内定を伝えられていた。

 メイラ理事長は「日本の環境保全や産業文化の力は優れている。特に富山県は医薬品産業が盛んである一方、G7富山環境大臣会合も開催されるなど魅力がある。豊かで美しい富山湾の魅力の活用・保全の取組みなど富山県民の熱意に敬意を表する。2019年富山県総会の成功を確信している」とお祝いの言葉を述べた。


▲富山県総会の開催決定後、
メイラ理事長と握手する石井知事、
永原 美しい富山湾クラブ会長ら(左)
▲湾クラブ設立20周年を記念した
パレードに先立ち、
ヴァンヌ市庁舎前で記念撮影(右)

 富山県総会は来年10月16日(水)~20日(日)、富山国際会議場やANAクラウンプラザホテル富山などで開催。総会行事に加え、富山湾岸の岩瀬や富山県美術館、富岩運河環水公園の視察、帆船海王丸の乗船、高岡の雨晴海岸の散策などエクスカーション(小旅行)を企画し、富山ならではのおもてなしで、湾クラブ関係者を歓迎する考えだ。

 なお、「世界で最も美しい湾クラブ」総会前の今年4月18日、湾クラブ設立20周年を記念したパレードがフランス・ヴァンヌ市で開催され、ケルト音楽隊を先頭に、湾クラブ関係者が街をパレードした。石井知事ら県関係者は湾クラブロゴマークを背中にデザインした法被姿で、美しい富山湾クラブの旗とともに行進し、富山湾をアピールした。

●眼前に富山湾の美しい景観!道の駅「雨晴」オープン

 富山湾に関係する話題をもう1つ紹介しよう。富山湾越しに3,000m級の立山連峰を望む景勝地・雨晴海岸。その横を走る国道415号沿いに道の駅「雨晴」(高岡市太田)がオープンした。富山県と高岡市が整備したもので、鉄筋コンクリート3階建て・延べ約1,000平方メートル。真っ白い外観は大海原を進む船のようだ。富山湾岸のドライブの途中に立ち寄ってみたい。


▲道の駅「雨晴」
▲オーシャンビューが自慢のカフェ
▲雨晴海岸をモチーフにした
漆器など地場産品が揃う
▲澄んだ音色を響かせる「りん鐘」

 1階には県内の観光パンフレットなどを揃えた情報発信コーナー、2階には地元産の食材などを使ったパスタやピザ、カレー、ハンバーグ、スイーツ、ドリンクを提供するカフェ、高岡銅器や漆器といった地場産品、地酒、銘菓、水産加工品などをずらりと揃えた土産店を配置。屋外の展望デッキには「世界で最も美しい湾クラブ」のマークや雨晴海岸を紹介したモニュメント、「馬並めて いざうち行かな 渋谿の 清き磯廻に 寄する波見に」(大伴家持)と「わせの香や 分入右は 有磯海」(松尾芭蕉)の歌碑、高岡銅器の「りん鐘」がある。3階は展望デッキや多目的ルームを備える。

 道の駅「雨晴」でドライブの疲れを癒やしたあとは、雨晴海岸に下りてみよう。国道415号をはさんだ向かいに「義経岩」がある。源義経が奥州へ落ちのびる途中、にわか雨の晴れるのを待ったという伝説が残る岩で、「雨晴」の地名の由来となっている。海岸からは女岩、天候に恵まれると海越しの立山連峰の絶景を満喫することができる。爽やかな潮風と陽光のもと、富山湾の魅力を感じ取ってほしい。

 道の駅「雨晴」では、「開放的な空間でオーシャンビューを楽しみながら、雨晴海岸をイメージしたスイーツや、紅ズワイガニと甘えびのトマトクリームパスタなどをご賞味ください。お土産にデザイン性の高い銅器や漆器はいかがでしょうか」と話している。

問合せ
「世界で最も美しい湾クラブ」富山総会の決定」について
●富山県観光・交通・地域振興局観光振興室
美しい富山湾活用・保全課
TEL.076-444-3339
FAX.076-444-4404
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1401/

「道の駅 雨晴オープン」について
●道の駅「雨晴」
TEL.0766-53-5661
FAX.0766-53-5666
http://michinoeki-amaharashi.jp/

コメント

その他のトピックス

ページの先頭へもどる↑