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2015年 8月 19日 [ イベント ]
No.720:晩夏~初秋、全国クラスの富山のイベントに酔いしれて
●哀調を帯びた胡弓の音色に誘われて、越中八尾おわら風の盆へ
石畳の坂道に白壁の土蔵、格子戸の町家、古刹の甍と、風情ある町並みに哀調を帯びた胡弓の音色……。「越中八尾おわら風の盆」(富山市)の季節も間近。8月20日(木)~30日(日)の前夜祭を経て、9月1日(火)~3日(木)の本番を迎える。風のささやきのように心に深く染みわたる音色、風雅な唄声、優美な踊りに酔いしれてみてはいかがだろう。
前夜祭では、八尾旧町の11町のうち毎晩(20:00~22:00、雨天中止)、1町内で輪踊りや町流しが行われる。今年は、20日(木)の西新町から始まり、21日(金)今町、22日(土)上新町、23日(日)福島、24日(月)諏訪町、25日(火)西町、26日(水)鏡町、27日(木)天満町、28日(金)東新町、29日(土)東町、30日(日)下新町・今町の順。八尾曳山展示館のホールでは、各町で踊りが始まる前に「前夜祭ステージ」が繰り広げられる。おわらの踊り方の解説を見学したり、ステージでのおわら踊りを鑑賞したりできるので、ぜひ訪れてほしい。
9月1日(火)からの本番では、11町内でそれぞれ町流しや輪踊りがある。時間は、1日(火)・2日(水)が15:00~23:00(ただし、17:00~19:00を除く)、3日(木)は19:00~23:00。日中の太陽の下では、浴衣の鮮やかな色彩と優美な踊りが印象的。ぼんぼりの明かりの下では編笠で顔を隠した若い男女の踊りに奥ゆかしさと独特の色気を感じる。日中と夜では異なる町の雰囲気や踊りの印象を感じてみたい。
おわらには、種まきや稲刈りなど農作業の動きを手や指先を巻くように表現する「豊年踊り」、かかし踊りともいわれ、苗を植える仕草、鍬打ち、稲穂が垂れる様子、稲刈り、刈った稲をはさに投げかける仕草などがある「男踊り」、ホタルとりや、櫛で髪をとぐ仕草、化粧直しの姿などを情感たっぷりに表現する「女踊り」の三通りの踊り方がある。テンポのある音色にのせて発散する雰囲気ではなく、情感を内に秘めて踊る舞に近いようだ。夕陽やぼんぼりの明かりに照らされて踊る姿は、幽玄な趣を醸し出す。ゆっくり、じっくりとおわらの奥深い世界に触れたい。
●演劇の地・利賀でSCOTサマー・シーズン2015
緑溢れる南砺市利賀村に世界の演劇人が集う「SCOTサマー・シーズン2015」の季節到来。今年は劇団SCOT(Suzuki Company of Toga)創立50周年、利賀に拠点を移して40周年となる節目の年。会期を例年より約1週間延長し、8月21日(金)~9月10日(木)、利賀芸術公園で開催される。鈴木忠志氏の代表作6作品をはじめ、インド、インドネシア、中国、韓国などアジアの伝統舞踊や現代劇などが上演される。
鈴木忠志氏の上演作品をいくつか紹介しよう。「トロイアの女」は、ギリシャ悲劇の舞台を世界の紛争地域に置き換え、原作の登場人物と廃墟で生きる人たちの心情を重ね合わせる。「リア王」は、家族の絆が崩壊し、病院で孤独のうちに死を待つ老人・リア王の回想と幻想を通し、人間の孤独と弱さ、惨めさに焦点をあてる。ドイツ、イタリア、アメリカ、中国、韓国の俳優による5カ国語版。
「世界の果てからこんにちは」は、歴史の中で展開されてきた日本人独特の心象風景をコラージュ風に描くことで、日本の未来に警鐘を鳴らす。漆黒の闇に花火が打ち上がる壮大な野外劇は圧巻。
「からたち日記由来」は、島倉千代子の大ヒット曲「からたち日記」の架空の誕生秘話を作品化。大正時代の心中事件と絡めながら、大衆歌謡の歌詞に隠された真実に迫る。
「利賀アジア芸術祭」として、クジャクの羽で飾られた煌びやかな仮面、アクロバティックな動きが印象的な「チョウ・ダンス」(インド)、中国の歴史と西洋の古典が交錯する「アンティゴネ」(中国)、韓国北部の説話を題材にした「むかしむかし、ホーィホイ」(韓国)、バリ島の戦士の踊りなど身体表現と高い集中力が圧巻の「インドネシア舞踊」(インドネシア)が上演される。
なお、利賀におけるSCOTの公演では入場料という考えをとっておらず、利賀村での活動を応援したいと思ってくださる方からお志を“ご随意に”いただくこととしているのも話題。満席の公演が出ているが、まだ観劇可能な公演もある。詳細はSCOT(TEL.0763-68-2216)へ確認を。
●夏の利賀を満喫するイベント、TOGAサマーフェスティバル
「SCOTサマー・シーズン2015」に併せ、8月21日(金)~9月7日(月)、「TOGAサマーフェスティバル~天空と星空のシアターヴィレッジ~」が初めて開催される。利賀国際キャンプ場一帯に「天空の“TOGA屋台村”」、「Café&Bar“NANTO LIFE”」、「テント村」などが開設され、“演劇+泊まる・食べる・飲む”が満喫できる。
「天空の“TOGA屋台村”」では、利賀そばや岩魚の塩焼き、清流素麺、南砺ジビエつけ蕎麦、南砺産の野菜を使ったサンドウィッチ、山菜おこわ、しろえびかき揚げライスバーガー、岩魚寿司、南砺ひつまぶし、清流のかき氷、朝採れ野菜など、南砺のグルメや県内選りすぐりのメニューを提供。ランタンの灯る「Café&Bar“NANTO LIFE”」では、カフェや地ビール、地酒、ワイン、山のカクテル、どぶろくなどが楽しめる。日中のほか、公演終了後の深夜0時までの営業。満天の星空の下で過ごすひとときが心を癒してくれるだろう。
演劇鑑賞のあと、美しい星空を見ながら眠りにつきたいという方は芸術公園テント、グルメ館横テントへ。このほか、地元の人が営む民宿や、SCOTサマー・シーズン期間限定の民泊も設けられているので、利賀に宿泊して演劇や大自然を体感してみては。
利賀キャンプ場近くの農園では、トウモロコシ収穫体験ができる。その場で炭火で焼いて味わうことも。また、子ども連れには川遊びしながらの岩魚のつかみどり体験がおすすめ。夏休みの思い出づくりにぴったりだ。
このほか、南砺の特産品や雑貨などの販売、後段で詳しくお知らせする「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド」から誕生した市民団体「スキヤキ・スティール・オーケストラ」などのステージもある。食とアウトドアの交流広場ともいえる利賀サマーフェスティバルを心ゆくまで楽しみたい。
●ソウルフルで熱い演奏と歌声!スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド2015
ワールドミュージックフェスティバル「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド2015」が8月21日(金)~23日(日)、南砺市福野地域((南砺市福野文化創造センター・円形劇場ヘリオス、南砺市園芸植物園ほか)で開催される。1991年にスタートし、今年で25回目を迎えるスキヤキには、国内外から来県した約43組のグループ、個人計約580人が出演する。
注目のアーティストは、アフリカ音楽のカリスマと評価されているシェイク・ロー(セネガル)。地元のポピュラー・ミュージック「ンバラ」にコンゴ風ルンバやレゲエなどの要素を加え、オリジナルサウンドを追求してきた。デビュー40周年を迎え、待望の初来日となる。
アウレリオ・マルティネス(ホンジュラス)は、アフリカと中央アメリカの混血によって生まれた民族「ガリフナ」の一員。アフリカとラテン文化を融合させたガリフナ音楽を現代風にアレンジしてきた。
かつてアフリカからの奴隷の到着点だったブラジル北東部サルバドール出身のチガナ・サンタナ(ブラジル)は、アフリカ伝統音楽をサウンドに取り入れ、自身の深い内面世界を陰りを帯びた歌声とギターで弾き語る。
スキヤキ2011から誕生したクアトロ・ミニマル(メキシコ・韓国・日本)は、レジデンス企画として本番約2週間前から南砺市に滞在しながらリハーサルを重ね、本番で披露する楽曲を制作してきた。
ベカオ・カンテット(マリ)は、西アフリカの弦楽器や打楽器などのサウンドを組み合わせ、伝統に根付いた新感覚のマリ音楽を響かせる。
松田美緒(日本)は、ポルトガル語・スペイン語圏の国々を旅しながら現地を代表するアーティストたちと共演してきた“現代の吟遊詩人”。スキヤキでは、日本の原風景を紡ぎだす歌に注目だ。このほか、スティールドラムのトッププレイヤーであるマリオ・ジョゼフ(トリニダード・トバコ)、おなじみのスキヤキ・スティール・オーケストラ、トゥーマラッカ&スキヤキ巨大人形隊など、多彩なアーティストが出演する。
8月22日(土)17:00~18:00には、アーティストや市民音楽隊が参加し、「スキヤキパレード」が行われる。注目は、メキシコのアーティストが南砺市民らと共同制作した高さ3mを超える巨大人形。南砺の自然や風景にインスパイアされてデザインしたもので、パレードを熱く盛り上げるだろう。
越中八尾おわら風の盆と前夜祭、SCOTサマー・シーズン2015&利賀サマーフェスティバル、スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド2015。今年は北陸新幹線開業で、アクセスもより便利に。都会のイベント、公演、行事とは違った、富山ならではの感動を味わいたい。
- 問い合わせ
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「越中八尾おわら風の盆と前夜祭」について
●おわら風の盆行事運営委員会
越中八尾観光協会 TEL.076-454-5138
富山市八尾山田商工会 TEL.076-455-3181
富山市八尾総合行政センター農林商工課 TEL.076-454-3117
http://www.yatsuo.net/kazenobon/
「SCOTサマー・シーズン2015」について
●SCOT
TEL.0763-68-2216
http://www.scot-suzukicompany.com/sss/2015/
「利賀サマーフェスティバル」について
●南砺市利賀行政センター
TEL.0763-68-2111
FAX.0763-68-2119
http://www.nantolife.jp/
「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド2015」について
●スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド実行委員会(南砺市福野文化創造センター・ヘリオス内)
TEL.0763-22-1125
FAX.0763-22-1127
http://www.sukiyakifes.jp/