- HOME : Toyama Just Now
- イベント
- No.616-1:利賀で熱い夏! SCOT サマー・シーズン2013、観劇申し込み受付
2013年 7月 24日 [ イベント ]
No.616-1:利賀で熱い夏! SCOT サマー・シーズン2013、観劇申し込み受付
●聲明(しょうみょう)と打楽器のコラボで荘厳な調べ
利賀の大自然のなかで繰り広げられる演劇に心震わせる夏を……日本、そして世界の演劇ファン待望の「SCOT サマー・シーズン2013」(主催:富山県文化振興財団、企画:SCOT、共催:TOGAアジア・アーツ・センター、舞台芸術財団演劇人会議、富山県)。今回は、SCOT創設メンバーで、プロデューサーの斉藤郁子氏の追悼公演としても開催される。上演作品を紹介しよう。
「羯諦羯諦(ぎゃていぎゃてい)―行く者よ、去り行く者よ」では、打楽器奏者の高田みどり氏と、高野山南山進流聲明・SAMGHA(真言聲明の会)が共演する。仏典に節をつけて唱える聲明と現代楽器が呼応し、聴く者を新しい時空へと誘う。
「ディオニュソス」は、酒の神ディオニュソスと、テーバイの王との激しい闘いを描いたギリシャ悲劇「バッコスの信女」(エウリピデス作)が原作。狂信的宗教と、その布教活動を押しとどめようとする権力者との争いの渦中で、新宗教に入信した母親が息子である王を殺害してしまうという悲惨な事実。宗教と政治闘争のはざまで犠牲になる母の姿が2,500年の時を超えて迫ってくる……。
「世界の果てからこんにちは」は、歴史の中で展開されてきた日本人独特の心象風景をコラージュ風に描くことで、日本の未来に警鐘を鳴らす。漆黒の闇に花火が打ち上がる壮大な野外劇は圧巻。
「新釈・瞼の母」は岩舞台で繰り広げられる前衛漫画劇。みじめな母親の幻想を通して、日本人のさすらい続ける心を哀しくもおかしく浮かび上がらせる。
「禿の女歌手」は、鈴木氏の俳優訓練法「スズキ・トレーニング・メソッド」を学んだアメリカ、イタリア、デンマーク、リトアニア、韓国、中国の演出家、俳優で結成されたインターナショナルSCOTの第一弾の公演となる。不条理劇の巨匠、イヨネスコが描いた滑稽な会話劇がどのように演じられるか楽しみだ。6カ国語版だが、日本語字幕も用意される。
「羯諦羯諦」、「ディオニュソス」の会場は、高い天井に黒色の内装を施した利賀大山房。利賀中村体育館を改修した建物で、舞台や客席を新設。「SCOT サマー・シーズン2013」で初披露となる。南砺市では今後、演劇やスポーツ、文化振興の拠点として活用していく考えだ。
●入場料金はなく、随意に金額を決める方式へ
劇団SCOT(Suzuki Company of Toga)は1976年、東京から利賀へ拠点を移して活動を開始。82年には日本で初めての世界演劇祭「利賀フェスティバル」を開催。世界の演劇関係者の注目を集め、その舞台となった利賀は「世界演劇の聖地」と呼ばれるようになった。
今夏から利賀での活動を社会事業として位置付け、「SCOT サマー・シーズン2013」を“すべての人に開かれた公演”として、入場料金を設けず、活動支援として“随意”に金額を決める方式に改める。利賀での公演には全国各地から演劇ファンが訪れる。若者らの負担を抑え、幅広い世代に鑑賞してもらうことが目的だ。
「この利賀村に滞在し、我々の活動に触れたい、それが必要だとする人たちに対しては、対価を求めないことにしたのである。このことが貧しい若者たちに、どれほどの助けになるかは分からないが、これが40年近くにわたって、私を励まし助けてくれた人たちへの、ささやかなお礼になっていればという思いからのことである」と、鈴木氏はブログで綴っている。
「SCOT サマー・シーズン2013」の観劇の申し込みは、SCOT利賀事務所へ(TEL.0763-68-2216)。SCOT倶楽部の会友を優先して受け付ける。申し込みのときに会友登録もできる。なお、申し込みは電話での受け付けのみ。FAX、メール、ウェブサイトからはできない。
期間中の土、日曜には、「TOGA夏まつり」も開催される。利賀国際キャンプ場のグルメ館で、そばやそうめん、イワナ塩焼き、南砺ポーク、ます寿し、ごへい餅などが味わえる。
富山県生活環境文化部文化振興課では、「演劇で感性を刺激する熱い夏を。澄んだ空気、百瀬川のせせらぎ、緑深い山々…県利賀芸術公園は別天地。利賀ならではの山の幸に舌鼓を打ち、心身を癒してください」と話している。
- 問い合わせ
- ●SCOT
TEL.0763-68-2356
http://www.scot-suzukicompany.com/
●富山県利賀芸術公園
TEL.0763-68-2028
FAX.0763-68-2926
http://www.togapk.net/sss/2013/