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2012年 11月 21日 [ トピックス ]

No.582-1:花粉症にお悩みの方に朗報!全国初、山林に無花粉スギ植栽

国民病ともいえる「スギ花粉症」。富山県で開発した優良無花粉スギ「立山 森の輝き」の植栽が立山町、南砺市で始まった。無花粉スギを本格的に山林に植える取り組みは全国で初めて。県では平成4年から無花粉スギの研究に着手。種子による優良無花粉スギ苗の大量生産技術を確立し、3年かけて5,000本の苗木を育成してきた。今後5年間で8万本を植栽し、普及を目指す。

▲優良無花粉スギ「立山 森の輝き」植樹の集い(立山町)

●花粉症対策に富山生まれの「立山 森の輝き」

 国民病ともいえる「スギ花粉症」。富山県で開発した優良無花粉スギ「立山 森の輝き」の植栽が立山町、南砺市で始まった。無花粉スギを本格的に山林に植える取り組みは全国で初めて。県では種子による優良無花粉スギ苗の大量生産技術を確立し、3年かけて5,000本の苗木を育成してきた。今後5年間で8万本を植栽し、普及を目指す。

 無花粉スギとは、文字通り花粉がなく、花粉を飛ばさないスギ。富山県農林水産総合技術センター森林研究所(立山町吉峰)が平成4年、花粉飛散の調査中、富山市内の神社で無花粉スギ(タテヤマスギの突然変異体)を全国で初めて発見し、無花粉になる性質が一対の劣性遺伝子に起因していることを解明した。

 平成12年、全国から精英樹(成長、形質ともに特に優れたものを選抜・登録した個体)の花粉330品種を集め、そのうちの4品種(富山・石川・静岡・神奈川)が無花粉の劣性遺伝子を持つことを突き止めた。その後、初期成長と挿し木の発根性に優れた無花粉スギ「はるよこい」を選抜し、平成19年、全国第1号の無花粉スギとして農林水産省に品種登録した。さらに、雄性不稔遺伝子(雄性器官に異常がある遺伝子)を有するスギ精英樹を交配親に持つ「優良無花粉スギ」を育成し、種子による優良無花粉スギの大量生産に取り組んできた。

 昨年12月~今年1月には愛称を一般公募し、応募点数858点<県内300点、県外(45都道府県)558点>の中から、“無花粉であり、木材として優れていることや親しみやすさ、富山県をイメージできる愛称”として「立山 森の輝き」に決定した。

●今後5年間で8万本植栽

 県では、「水と緑の森づくり税」を活用した、森づくりの新たな取り組みとして、花粉の発生源となっているスギ人工林を対象に、伐採跡地への「立山 森の輝き」の植栽を支援し、優良無花粉スギの普及を目指す。

 11月10日(土)、立山町座主坊で開かれた植樹の集いには、石井隆一富山県知事ほか森林ボランティアや地元の釜ケ渕小学校の児童ら約150人が参加。約1,500㎡に苗木300本を植えた。17日(土)には南砺市井波で地元住民約30人が苗木約100本を植え込んだ。

 県では、年内に富山市、氷見市、入善町、上市町のスギ人工林伐採跡地にも「立山 森の輝き」を植林する。平成25年度は5,000本、26年度は1万本、27年・28年度にはそれぞれ3万本ずつ出荷する予定。「水と緑の森づくり税」を活用して、富山県森づくりプラン(後期計画)の5年間(平成24~28年)の合計で40ha、8万本を植栽する。無花粉スギの品種開発は全国各地の研究機関で進められているが、苗木の量産段階には至っていない。富山県の取り組みは全国の先駆けとなる。

 富山県農林水産部森林政策課では、スギ花粉飛散量の軽減を目的に優良無花粉スギ『立山 森の輝き』を開発した。山林での本格的な無花粉スギの植栽は全国でも初めての試み。花粉症の人を少しでも減らすとともに豊かな森づくりにつなげていきたい」と話している。


▲苗木
問い合わせ
●富山県農林水産部森林政策課
TEL.076-444-3389
FAX.076-444-4428
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1603/

●富山県農林水産総合技術センター 森林研究所
TEL.076-483-1511
FAX.076-483-1512
http://www.fes.pref.toyama.jp/

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