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2012年 11月 14日 [ トピックス ]
No.581-1:世界料理オリンピック、金メダリストが語る富山県産食材の魅力
「第23回世界料理オリンピック」<10月5~10日、ドイツ・エアフルト市>で、とやま自遊館(富山市)の洋食調理長、桃井勉さんが個人競技オードブル(前菜)部門で金メダルを獲得した。県内関係者では初の金メダル、国内では12年ぶりの獲得という快挙。日本の食文化や調理技法、富山の食材を世界にアピールする機会となった。県認定の食の匠でもある桃井さんに県産食材の魅力や食べ方などについても聞いた。
●日本の食文化や調理技法、富山の食材を世界にアピール
「第23回世界料理オリンピック」<10月5~10日、ドイツ・エアフルト市>で、とやま自遊館(富山市)の洋食調理長、桃井勉さんが個人競技オードブル(前菜)部門で金メダルを獲得した。内閣府認定公益社団法人 全日本司厨士協会富山県本部によると、県内関係者では初の金メダル、国内では12年ぶりの獲得という快挙。日本の食文化や調理技法、富山の食材を世界にアピールする機会となった。県認定の食の匠でもある桃井さんに県産食材の魅力や食べ方などについても聞いた。
世界料理オリンピックは、100年以上の歴史と伝統を持つ世界最大規模の国際料理大会で、4年に1度ドイツで開かれている。今大会には、団体と個人部門に50カ国余りから約1,500人の料理人が出場し腕を競った。桃井さんはオードブルの盛り付けや彩り、調理法などを競い合う種目に出場。エントリーした35人の選手から、金メダリスト5人のうちの1人に選ばれた。
受賞作のテーマは、シーフードと野菜を組み合わせた“海からの恵み”。富山湾のシロエビや甘エビのすり身をイカと組み合せたテリーヌ、古代米(紫米)のリゾット、伊勢海老と舌平目の温かいムース リ・ドヴォーのカラメリゼ添えなどを調理してハート型ボード、器に盛り付けた。シロエビの白、甘エビの赤のコントラストが目を引いたという。ディスプレイには高岡の鋳物メーカー・能作の錫製の曲がる食器をバスケット代わりに使用し、立体感のある演出を施した。また桜模様の和紙などを使って日本的な雰囲気も醸し出した。
桃井さんの真骨頂は“素材そのものの味や美しさを最大限に活かす”こと。美しく、個性的で、革新的な面と伝統文化を融合させた料理が審査員を魅了したに違いない。ちなみに富山湾のネタを使った寿司のポスター、雨晴海岸と海上に聳える立山連峰のポスターをテーブルに飾り、富山をPRした。
●これからの季節、シチューに“ねぎたん”がおすすめ
桃井さんは、富山湾から水揚げされたキトキトの魚介、古代米など富山の新鮮な食材を使った新しい食文化の創造にも積極的に取り組んでおり、地域で育まれてきた「とやまの食」について卓越した知識と技術を有する「とやまの食の匠」に認定されている。
県産食材で、寒くなるこれからの季節におすすめするのが、県で開発した短葉性の白ネギ“ねぎたん”。白ネギの出荷規格は一般的に全長60cmだが、ねぎたんは全長40cmと短く、少人数家族でも使いきれるサイズだ。辛みが少なく、やわらかな食感で、ポトフやシチュー、サトイモのスープなどのメニューにぴったりという。富山湾の冬の味覚の代表格といえば、寒ブリ。桃井さんはお刺身風のマリネを提案する。醤油と香草を合わせたドレッシングでいただくと、脂の乗ったブリの身をフレンチ風に味わえると絶賛する。
なお、とやま自遊館では、金メダル獲得記念フルコース「AVENIR」(アブニール~未来~:7,000円)を11月30日(金)まで提供。オリンピック出品メニューの「伊勢海老と舌平目の温かいムース リ・ドヴォーのカラメリゼ添え」をはじめ、「鱗もカリカリに焼いた甘鯛のポワレ 県産野菜とズワイガニのベニエ添え」、「特選氷見牛のポワレ 県産野菜のコンフィを添えて」など県産素材を使ったメニューが堪能できる。
桃井勉さんは、「富山には世界に誇れる上質な食材がたくさんある。感謝しながら毎日料理と向き合っている。五輪出場が決定し、開催までの約1年半は、デッサン、試作、トレーニングとあっという間に過ぎていった。世界の料理人と交流し、日本の食文化、富山の素材をアピールできたことはよかった。この経験を若手のシェフに伝えていきたい」と話している。
問い合わせ
●とやま自遊館
TEL.076-444-2100
FAX.076-444-3787
http://www.jiyukan.or.jp/