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2012年 9月 12日 [ イベント ]

No.572-2:万葉の時代へタイムトリップ、越中万葉の秀歌を心ゆくまで

富山県は万葉集の代表的な歌人・大伴家持が223首もの歌を詠んだ越中万葉ゆかりの地。今年7月、富山市中心部に開館した高志の国文学館で9月15日(土)に「越中万葉朗唱の夕べ」が開催される。また、高岡市では10月5日(金)~7日(日)、高岡古城公園のお濠に設けられた特設水上舞台で、万葉集全20巻4,516首を2,000人を超える人々が3昼夜かけて歌い継ぐ「万葉集全20巻朗唱の会」が開かれる。今秋、万葉の世界にどっぷり浸ってみよう。

▲高志の国 文学館

●高志の国 文学館で「越中万葉朗唱の夕べ」

 富山県は万葉集の代表的な歌人・大伴家持が223首もの歌を詠んだ越中万葉ゆかりの地。今年7月、富山市中心部に開館した高志の国文学館で9月15日(土)に「越中万葉朗唱の夕べ」が開催される。また、高岡市では、10月5日(金)~7日(日)、「万葉集全20巻朗唱の会」が高岡古城公園のお濠に設けられた特設水上舞台で開かれる。今秋、万葉の世界にどっぷり浸ってみよう。

 同文学館では、開館記念展「大伴家持と越中万葉―風土とこだまする家持の心―」を開催中<10月14日(日)まで>。越中国の風土と人々の暮らしが、家持の詩心にどのように映り、歌人としてどのように成長させたのかを多角的に読み解く内容となっている。「紅にほふ少女らし」(藤森兼明作)、「ふるさとの万葉」(郷倉和子作)などの絵画や写真、アニメ、絵本といった様々な手法を通じて、越中万葉の魅力を紹介しているのも特徴だ。

 「越中万葉朗唱の夕べ」(15:00~20:00)は開館記念展の一環として企画。文学館の「万葉の庭」に特設舞台を設け、家持が越中国の国守として在任中の5年間に詠んだ223首を朗唱するもので、第1部(15:00~17:30)では一般朗唱(朗唱者受付終了)、第2部(18:05~)では生田流箏曲・黒川真理氏による琴の演奏、歌人馬場あき子氏ら招待者による朗唱、解説が行われる。背後に庭の樹木、舞台の前には池と、趣のある空間で朗唱される秀歌の一首一首を心に刻める夕べ。異郷の豊かな自然や風物に触れ、家持は何を感じたのか、当時に思いを馳せながら朗唱に耳を傾けたい。

 なお、開館記念展の会期中、文学館では開館時間を延長<通常17:00までのところ、金・土曜日は20:00まで、その他の曜日は18:30まで(※火曜日休館)>。これに合わせ、県内放送局のアナウンサーによる朗読と、県内演奏家による弦楽演奏を組み合わせた「朗読と弦楽の夕べ」も開催する。朗読作品は9月14日(金)が伊坂幸太郎『終末のフール』、21日(金)が小泉八雲『怪談』から、10月5日(金)が大井冷光『越中お伽噺』佐伯有頼ほか、12日(金)が『路上の人~堀田善衞とスタジオジブリが描く乱世』。時間は18:30~19:20、ライブラリーコーナー(無料)にて。

 高志の国 文学館では、「秋の夜長、文学館で越中万葉の秀歌や文学作品に触れるひとときを。また松川べりには、家持の歌碑と歌石板合わせて18基を文学館の整備に合わせて新たに設けたところであり、こちらのほうも散策してほしい」と話している。

●万葉の故地・高岡で三昼夜、万葉集全20巻4,516首を朗唱

 高岡市の伏木には、奈良時代に越中国の国府が置かれていた。国守・家持にとって、豊かな自然環境のなかで暮らした越中時代は、生涯において最も精彩があったとされる時期で、独創的な歌の境地を作り上げた時代ともいわれている。

 万葉集と家持の心に触れられる「万葉集全20巻朗唱の会」は、「高岡万葉まつり」のメインイベントで、今年で23回目を迎える。全国から募集した2,000人を超える参加者が、高岡古城公園のお濠に浮かぶ中の島特設水上舞台で三昼夜にわたり、万葉集全20巻4,516首をリレー方式によって声高らかに朗唱する、全国でもユニークな企画だ。

 「馬並(な)めて いざ打ち行かな 渋谿(しぶたに)の 清き磯廻(いそま)に 寄する波見に」――当日、朗唱者は趣のある万葉衣装を身にまとい、個人、あるいはグループで高らかに朗唱する。一人あたりの朗唱歌は3~4首、長歌は1~2首。歌い方は、自由。朗読調、詩吟調、百人一首調、歌曲調、演歌調とさまざま。夜の舞台にはかがり火が焚かれ、水面に映る幻想的な光が観衆を万葉の時代へと誘う。

 朗唱者は高岡市内をはじめ、県内、全国からのリピーターも多い。募集は7月から始まっており、日中の主要な時間は埋まっているが、深夜や早朝にまだ空きがある。朗唱希望者は高岡万葉まつり実行委員会事務局(TEL.0766-20-1301)に問い合わせしてみよう。

 高岡万葉まつり実行委員会では、「高岡万葉まつりでは、万葉集全20巻朗唱の会のほか、芸能発表や万葉大茶会、観光ボランティアと行く万葉故地めぐり、万葉故地交流会、ランタンの灯りが幻想的な燈火の路など、多彩な催しを企画している。秋空と爽やかな風に誘われて、万葉集に詠まれた地をめぐってみてはいかが」と話している。

▲万葉集全20巻朗唱の会


問い合わせ
「越中万葉朗唱の夕べ」について
●高志の国 文学館
TEL.076-431-5492
FAX.076-431-5490
http://www.koshibun.jp/

「万葉集全20巻朗唱の会」について
●高岡万葉まつり実行委員会事務局(高岡市観光交流課内)
TEL.0766-20-1301
FAX.0766-20-1496
http://www.city.takaoka.toyama.jp/

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