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2011年 12月 28日 [ トピックス ]
No.538-1:全国初の「優良無花粉スギ」、愛称募集
くしゃみや鼻水、眼のかゆみと、まさに国民病ともいえるスギ花粉症。富山県は平成20年に全国で初めて、種子による「優良無花粉スギ」の量産技術を確立。平成24年秋から苗木の出荷を始める。全国普及を図るため、「優良無花粉スギ」の愛称を募集中<1月10日(火)まで>。愛称採用者には「富山県産品ギフトカード(10,000円相当)」、応募者の中から抽選で20名に「同ギフトカード(5,000円相当)」が贈られる。
●種子による大量生産、可能に
くしゃみや鼻水、眼のかゆみと、まさに国民病ともいえるスギ花粉症。その対策として、無花粉スギの品種開発を進めている富山県は、平成20年に全国で初めて、種子による「優良無花粉スギ」の量産技術を確立。平成24年秋から苗木の出荷を始める。全国普及を図るため、「優良無花粉スギ」の愛称を募集中<1月10日(火)まで>。愛称採用者には「富山県産品ギフトカード(10,000円相当)」、応募者の中から抽選で20名に「同ギフトカード(5,000円相当)」が贈られる。
富山県農林水産総合技術センター森林研究所(立山町吉峰)は平成4年、花粉飛散の調査中、富山市内の神社で無花粉スギ(タテヤマスギの突然変異体)を全国で初めて発見し、無花粉になる性質が一対の劣性遺伝子に起因していることを解明した。無花粉スギとは、文字通り花粉がなく、花粉を飛ばさないスギ。遺伝子の突然変異により、花粉の表面に殻(ユービッシュ体)ができず、花粉同士が融合し肥大して壊れてしまう性質<雄性不稔>を持つ。
森林研究所では、その後、初期成長と挿し木の発根性に優れた無花粉スギ「はるよこい」を選抜。平成19年、全国第1号の無花粉スギとして農林水産省に品種登録した。さらに、雄性不稔遺伝子を有するスギ精英樹を発見し、これを交配親とする「優良無花粉スギ」を育成した。種子による「優良無花粉スギ」の大量生産を目的に、研究所内に室内採種園を造成。年間10,000本ほどの苗木の生産を予定している。これまでに、県内の公園や学校などに緑化用として333本の苗木を提供しており、今後供給を加速させる考えだ。
無花粉スギの品種開発は全国各地の研究機関で進められているが、苗木の量産は難しく、富山県の取り組みは全国の先駆けとなる。富山発の“ブランドスギ”への期待が高まっている。
●平成24年のスギ花粉総飛散量、平年よりやや少なめ
愛称募集についての要項を紹介しよう。応募は、個人のほか、職場やグループでも可。愛称名、名前の理由、応募者の郵便番号、住所、氏名、電話番号を記入の上、郵便(はがき)<〒930-8501 住所記載不要>、FAX<076-444-4428>、県ホームページ<http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1603/form.html>で、富山県農林水産部森林政策課「優良無花粉スギ」愛称募集係へ。郵便(はがき)の場合は、1月10日(火)の消印まで有効。発表は2月頃(予定)。なお、愛称名は、品種登録されている「はるよこい」、「爽春」は除く。
さて、スギ花粉は例年、2月中旬から連続して観測されるようになり、3月上旬から下旬にかけて飛散の最盛期を迎える。平成23年の県内の総飛散量(2~4月)は平野部で1c㎡あたり、5,808個と平成3年以降、最高となったが、平成24年は平年(2,676個/c㎡)の70%程度(2,000個/c㎡)と予測されている。
スギ花粉症は、花粉中の抗原によって引き起こされるアレルギー症状。風邪の症状と混同されやすいため、注意が必要だ。花粉シーズンに、くしゃみや鼻水などの症状が現れた場合、早めに受診しよう。特に、晴れた日や風の強い日は花粉が大量に飛散するため、外出を控えることが重要。外出する場合は、マスクや眼鏡などの着用を心がけたい。帰宅時には、花粉の侵入を防ぐため、着衣に付着した花粉を払い落としてから室内へ。窓を開けたり、洗濯物やふとんを屋外に干したりすることも避けたい。対策を万全にして、花粉症シーズンを乗り切ろう。
問い合わせ
「愛称募集」について
●富山県農林水産部森林政策課
TEL.076-444-3389
FAX.076-444-4428
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1603/kj00011256.html
「優良無花粉スギ」について
●富山県農林水産総合技術センター 森林研究所
TEL.076-483-1511
FAX.076-483-1512
http://www.fes.pref.toyama.jp/