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2009年 10月 21日 [ トピックス ]
No.426-2:環境との調和を目指す富山県立大学
日本海側初の工学系公立大学として開学して以来、常に教育研究の充実と高度化に努め、工学の未来を切り拓く優れたエンジニアを育成してきた富山県立大学。今年4月には「環境工学科」を開設。より幅広く、深く、知識と技術の修得を可能にする工学部5学科体制として進化を遂げ、未来を志向した魅力ある大学づくりに取り組んでいる。
●環境リテラシーを備えた工学技術者育成へ、環境教育プログラム実施
富山県立大学は、日本海側初の工学系公立大学として開学して以来、常に教育研究の充実と高度化に努め、工学の未来を切り拓く優れたエンジニアを育成してきた。今年4月には「環境工学科」を開設。より幅広く、深く、知識と技術の修得を可能にする工学部5学科体制(機械システム工学科・知能デザイン工学科・情報システム工学科・生物工学科・環境工学科)として進化を遂げ、未来を志向した魅力ある大学づくりに取り組んでいる。
県立大学の教育の大きな特徴として、持続可能な社会の実現に向け、環境への幅広い視野と倫理観(環境リテラシー)を備えた工学技術者、環境調和型技術の創造者の育成を目指し、「環境教育プログラム」を実施していることが挙げられる。全学科を対象に1・2年次には、富山県の豊かな自然、環境問題への取り組みなどについて体験学習する「エコツアーⅠ」、環境問題を体系的に学習する総合科目「環境論Ⅰ・Ⅱ」、キャンパス内の環境問題に向き合う「キャンパスフィールド活動」などの「環境基礎科目群」、3・4年次には「環境専門科目」、「エコツアーⅡ」などの「環境専門科目群」を設定。履修状況に応じて「エコポイント」を付与し、さらに体系的に履修した学生には卒業時に大学独自の「エコスチューデント」、「環境マイスター」の称号を付与する計画だ。
また、学生一人ひとりが生涯にわたって自分らしい生き方(ライフキャリア)を実践できるように「キャリア形成科目」を設け、入学から卒業までの一貫したキャリア形成教育を行っていることも特筆すべき点。ここで学生は、社会の仕組みや働くことの意義、自分自身の適性を考え、思い描く人生設計・キャリアプランに必要な能力の身につけ方を学ぶ。主な科目として、キャリア形成論やプレゼンテーション演習、インターンシップ、英語資格試験対策ゼミなどがある。
県立大学では、少人数教育のもと、学生のキャリア形成のための教育をはじめ、就職支援を早期から行っており、その結果、就職率は毎年ほぼ100%を達成。全国大学でトップクラスの実績をあげ、「就職に強い大学」として高く評価されている。
●環境を中核にした21世紀のものづくりに貢献できる人材を
新設の「環境工学科」は、広く、深く、未来の地域と地球を考える「環境のスペシャリスト」の育成を目標としている。生命と産業を支える水の健全な循環という視点から、水環境の保全と水資源の有効利用などについて研究を行う「水循環工学講座」、資源の効率的な循環利用とそれを実現させるための環境政策に関する研究を行う「資源循環工学・環境政策学講座」、自然生態系と調和した環境の創造・保全に向けた土木関連技術などに関して研究する「環境デザイン工学講座」の3つの講座がある。
「資源循環工学・環境政策学講座」を担当する九里徳泰教授。専門は環境経営学で、企業におけるCSR、企業の社会的責任と環境管理について研究している。「循環型社会・低炭素社会の構築に向け、家族、企業、県、国などすべての組織で、二酸化炭素を排出しない暮らしを考えなければならない。家族レベルから地球レベルまで、全方位で考える必要がある。研究室の学生には、低炭素社会に向け、フィールドワークや文献研究などを通して、自分はどのようなことができるのかを考え、学んでほしい」と九里教授。
21世紀の産業技術の最重要ワードといわれる「環境」。県立大学では、人間社会と環境に対する深い洞察力と、優れた能力を備えたエンジニアを育成する先進的な教育モデルを確立し、環境を重視した先端技術の研究開発の推進において先導的な役割を果たすことを目指している。
県立大学事務局では「21世紀のものづくりに取り組む志を持つ人に、最高の学習プログラム、最高の学習環境、快適なキャンパスライフを提供する。推薦入試の出願期間は10月31日(土)〜11月3日(火・祝)。一般入試の出願期間は、平成22年1月25日(月)~2月3日(水)。詳しくは、県立大学のホームページをご覧ください」と話している。
なお、10月24日(土)~25日(日)、第20回富山県立大学大学祭「県大祭」が開催される。ものづくりコンテストやプログラミングコンテスト、ライブ演奏、芸人ライブ、模擬店出店などが予定されている。11月7日(土)には、平成21年度富山県立大学秋季公開講座第3回(「富山の名水ものがたり」、「社会・経済活動と水循環の相互作用」)、21日(土)には第4回(「物の流れと環境負荷の評価」、「企業における環境・CSR<企業社会責任>経営をどのように測定するのか?」)が開講する。県立大学を知るよい機会となる。ぜひ参加したい。
問い合わせ
●富山県立大学事務局
TEL.0766-56-7500
FAX.0766-56-6182
http://www.pu-toyama.ac.jp/