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2010年 2月 24日 [ トピックス ]
No.443-1:木曾義仲と巴御前の魅力発見! 大河ドラマ誘致に向けて
平安時代末期の源平合戦で活躍した武将・木曾義仲と巴御前ゆかりの史跡が数多く残る富山県。乱世を共に駆け抜けた二人を主人公にした大河ドラマの誘致に向け、取り組みが活発化している。富山県や北日本新聞社などは、二人の生涯を描いた『乱世を駆ける 木曾義仲と巴御前』を刊行。今秋には「義仲・巴ネットワークフォーラムin富山(仮称)」を開催する予定だ。
●新しい国づくりを目指して戦を起こした義仲の功績
平安時代末期の源平合戦で活躍した武将・木曾義仲と巴御前ゆかりの史跡が数多く残る富山県。約800年前の乱世を共に駆け抜けた二人を主人公にした大河ドラマの誘致に向け、取り組みが活発化している。2月10日、石井富山県知事をはじめ、石川県、長野県の関係者が東京・NHK放送センターを訪れ、「義仲は地方の民衆のために新しい国づくりを目指して戦を起こした。地方が疲弊したいまこそ、光をあてるべき」とNHKの福地会長に誘致実現を要望し、企画案を提出した。石井知事の訪問は昨年1月に続いて2度目。昨年8月には富山、長野の両県と関係市町村合わせて13自治体による「義仲・巴」広域連携推進会議が発足。現在、会議への参加は18自治体に拡大している。
木曾義仲は1154年(久寿元年)、源氏の一族、源義賢の次男として武蔵国(埼玉県)に生まれ、本名を源義仲という。源頼朝、義経とは従兄弟にあたる。幼くして、父・義賢が討たれ、木曾の豪族・中原兼遠のもとで成長する。平家の治世と院政で世が乱れるなか、以仁王による平家追討の令旨を受けて挙兵し、越中や加賀の武士とともに倶利伽羅峠(富山県)で平家の大軍を一夜のうちに壊滅させた。数百頭の牛の角に松明をくくりつけ、平家軍を谷に落としたとされる戦法「火牛の計」は倶利伽羅の合戦の代名詞となっている。その後、平家を京都から追い払い、無血入城を果たし、源氏で最初に征夷大将軍に任じられるが、後白河院と源頼朝の権力闘争のはざまで翻弄され、義経の軍に敗れて近江国(滋賀県)・栗津ケ原で戦死する。
巴御前は、義仲の育ての親、中原兼遠の娘。幼い頃から義仲とともに武芸を磨き、義仲挙兵後は女武将として付き従う。倶利伽羅の合戦では、一隊の大将として活躍。義仲亡き後は、鎌倉に召し出され、和田義盛の庇護を受けたという。和田一族の滅亡後、倶利伽羅峠で共に戦った石黒家を頼り、越中に住み、尼となって91歳まで生きたとされる。
●『乱世を駆ける 木曾義仲と巴御前』刊行
義仲は、逆賊、乱暴者、田舎者のイメージが後世に伝わっているが、高い志で新しい国づくりを目指した英雄であったと評価する声が高まっている。一方、一人の武将として義仲を支えた巴御前は強い女性の代名詞。二人はまさに“日本史上最強カップル”といえ、男女共同参画のモデルとして位置付けることもできる。
富山県や北日本新聞社などで組織する「木曾義仲と巴御前」刊行委員会はこのほど『乱世を駆ける 木曾義仲と巴御前』を刊行。史実や各地に残る伝承、伝説を基に新たな視点で二人の人物像を再検証している。巻末には、富山や長野、石川、京都などに点在するゆかりの地がマップや写真を添えて紹介されており、観光面でも役に立ちそうだ。
県内には小矢部市の倶利伽羅峠や埴生護国八幡宮、朝日町の北陸宮墳墓、南砺市福光の巴塚公園、高岡市の弓の清水など、義仲・巴御前ゆかりの地が80カ所ほどある。小矢部市埴生地区には、歴史国道の案内施設「倶利伽羅源平の郷・埴生口」があり、倶利伽羅峠や合戦、義仲の生涯などをパネルで紹介している。JR石動駅には昨年12月に観光案内所「義仲・巴ナビステーション」が開設され、義仲・巴御前やゆかりの地に関する問い合わせに対応。地元では、倶利伽羅の合戦で義仲も通ったとされる倶利伽羅古道にも光をあて、今春から散策ツアーを企画し、大河ドラマ誘致活動を盛り上げる。
富山県では、ゆかりの地の史跡などを紹介する「義仲・巴出世街道マップ(仮称)」を今年度中に作成する。22年度には子ども向けの「まんがでわかる義仲・巴ロマンの旅~越中編」の作成、「義仲・巴ネットワークフォーラムin富山(仮称)」の開催を予定。フォーラムをきっかけに全国各地のゆかりの地の自治体、二人の生き方に共感を持つ民間の研究グループなどのネットワーク化を進める考えだ。このほか、ゆかりの地との相互交流を進める「史跡探訪交流バスツアー」なども検討している。
富山県知事政策局では「大河ドラマを誘致し、観光やまちおこしにつなげようとする機運が各地で高まっている。公家政治から武家政治への転換期に国を変えようと地方から身を起こした二人に光をあてることで、現代に生きる人間像のモデルとなるのではないか。二人を支えたのは、愛と絆、そして情熱と高い志。日本史上最強カップルの華々しい快進撃と悲運の生涯を大河ドラマでぜひ描いてほしい。誘致活動を盛り上げていきたい」と話している。
問い合わせ
●富山県知事政策局
TEL.076-444-4081
FAX.076-444-3473
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1002/