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2011年 4月 13日 [ イベント ]

No.502-2:華麗な山車に魅了される春の祭へ


 春、典雅な祭囃子に誘われて、絢爛豪華な曳山を楽しむ富山の旅に出かけてみてはいかがだろう。5月1日(日)の高岡御車山祭では、7基の御車山が黄金色の鉾留を煌かせながら高岡市中心部をゆっくりと巡行。3日(火・祝)の越中八尾曳山祭、4日(水・祝)・5日(木・祝)の城端曳山祭には6基の曳山が“ギュウギュウ”と独特のきしみ音を響かせながら町内を曳き廻される。


●桃山の華、高岡御車山祭に冴える

 春、典雅な祭囃子に誘われて、絢爛豪華な曳山を楽しむ富山の旅に出かけてみてはいかがだろう。5月の高岡御車山祭、越中八尾曳山祭、城端曳山祭をクローズアップしてみよう。

 5月1日(日)の高岡御車山祭(国重要有形・無形民俗文化財)では、7基の御車山が最上部に黄金色の鉾留を煌かせながら高岡市中心部をゆっくりと巡行する。通町の鉾留は鳥兜、御馬出町は胡簗に弓矢、守山町は五鈷鈴、木舟町は胡蝶、小馬出町は太鼓に鶏、一番街通は釣鐘、二番町は桐。鉾留の下には、赤や白、黄色の花傘。本金糸刺繍の幔幕なども山車に彩りを添える。車輪と車軸には、黒の漆塗りに装飾金具。高岡の金工、漆工の粋を集めたもので、その工芸美に感嘆の溜息がもれるだろう。

 よく見てほしいのが、一番街通の山車。車輪の直径は約1.6mで、菊唐草や鳳凰、加賀藩前田家家紋の梅鉢紋などが真鍮の透かし彫りで装飾されている。近年金具の傷みが目立ち、昨年5月から高岡地域文化財等修理協会のメンバーによって、高岡地域地場産業センターにある工房で前輪2輪が修復された。装飾金具をすべて取り外して洗浄と修理が行われたほか、漆の塗り替えや鉄輪などが新調された。今年の祭では、修復後の前輪と修復前の後輪を見比べることができる。後輪は、今年の祭終了後に修復が行われる。

 高岡御車山祭は、加賀藩初代藩主・前田利家が豊臣秀吉から御所車を拝領し、二代藩主で高岡開町の祖・利長が町民に与え、城下を曳き廻らせたのが始まりとされる。見どころは、5月1日正午、高岡市片原町交差点での御車山の勢揃い。一文字笠に麻裃をまとった山役員らと美しく飾り立てられた7基の御車山がずらりと並ぶ。なお、4月30日(土)には宵祭、ライトアップ展示(18:30~21:00、高岡市山町筋観光駐車場、富山銀行本店駐車場、NTT西日本高岡市外ビル駐車場)が行われる。暗闇に浮かびあがる御車山は日中とは違った美しさが感じられ、見る者を幻想の世界へと誘う。

●坂の町・八尾に伝わる二層式人形屋台

 おわら風の盆で全国に知られる富山市八尾町では、5月3日(火・祝)に越中八尾曳山祭が行われる。江戸時代に富山藩の御納戸所として栄華を極めた八尾の町人文化を象徴する祭。装飾に彫金や彫刻、漆工など加賀藩の名匠の技と粋を集めた6本の二層式人形屋台が揃いの法被姿の若者たちによって、坂の町を曳き廻される。

今年は、上新町、諏訪町、東町、今町、下新町、西町の順に西上がりのルートで町中心部を巡る。勢揃いした聞名寺前で8:15から獅子舞が奉納され、9:30から曳出しが始まる。夜の提灯山曳出しは19:30、十三石橋詰からとなっている。5月1日(日)には、搬出式と調曳きが行われる。

 曳山神事は、寛保元年(1741)、下新町八幡社の前身上皇太子社の社殿葺き替えの際に、花山に人形と役者を乗せて境内で素人芝居を演じ、帰りに各町へ曳き廻ったのが始まりとされている。その後、蚕糸で潤っていた八尾の人々は巨費を投じ、絢爛豪華な曳山を作ったという。聞名寺の石垣沿いの坂や日本の道百選の諏訪町通りに典雅な囃子……情緒豊かな坂の町を練り歩く曳山をぜひ観賞してほしい。

●城端独特の庵唄が響く、優雅な祭

 5月4日(水・祝)・5日(木・祝)の城端曳山祭(南砺市)は、約300年の伝統を誇る優雅な祭で、国重要無形民俗文化財に指定されている。本祭となる5日に恵比寿、大黒などの御神像を乗せた6基の絢爛豪華な曳山が“ギュウギュウ”と独特のきしみ音を響かせながら町内を巡行する。先導するのは、京都祇園の一力茶屋などを模した精巧な庵屋台。その中からは江戸端唄の流れをくむ城端独特の庵唄が響く……。見どころは、城端別院善徳寺前に剣鉾、8本の傘鉾、6基の曳山・庵屋台が揃い、巡行を開始するところや、城端曳山会館前での庵唄披露・カラクリ人形の所作。また、曳き手が車輪の音を響かせて一気に曳山を反転させる出丸坂引き返し、提灯山巡行も見逃せない。

 なお、4日は宵祭として、御神像のいない曳山と庵屋台が各町内で展示され、各町の山宿で御神像が飾られる。南砺市観光協会城端事務所では、「飾り山めぐり」を企画(南砺里山博2011の体験プログラム)。朴の木を使った生け花や屏風などで飾られた各山宿を地元ガイドが案内(参加費500円)してくれる。また、5日の「庵唄所望体験」では、格子戸を開放した民家の座敷で、曳山と庵屋台を眼前に見ながら、庵唄が聴ける。参加費は曳山御膳とお土産付きで10,000円。曳山祭の典雅な世界に心あそばせてみたい。




問い合わせ
「高岡御車山祭」について
●高岡市商業観光課
TEL.0766-20-1301
FAX.0766-20-1496
http://www.city.takaoka.toyama.jp/

「越中八尾曳山祭」について
●越中八尾観光協会
TEL.076-454-5138
FAX.076-454-6321
http://www.yatsuo.net/kankou/

「城端曳山祭」について
●南砺市観光協会城端観光案内所
TEL.0763-62-1821
FAX.0763-62-2346
http://www.johana-toyama.jp

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