- HOME : Toyama Just Now
- トピックス
- No.501-2:舟橋村のカモシカ騒動、国語教科書に、クッキーに
2011年 4月 6日 [ トピックス ]
No.501-2:舟橋村のカモシカ騒動、国語教科書に、クッキーに
平成20年に舟橋村立図書館(舟橋村)で起きた国特別天然記念物・ニホンカモシカの騒動が、今年度の国語教科書「小学生の国語 六年」(三省堂)で取り上げられ、人と自然、環境と社会を考える教材となっている。立山舟橋商工会女性部から「カーモくんクッキー」が商品化されたニュースも紹介。
●自動ドアから悠々と図書館へ
平成20年に舟橋村立図書館(舟橋村)で起きた国特別天然記念物・ニホンカモシカの騒動が、今年度の国語教科書「小学生の国語 六年」(三省堂)で取り上げられ、人と自然、環境と社会を考える教材となっている。
この騒動は、7月3日の午後2時頃、村立図書館の正面自動ドアからニホンカモシカ1頭(成獣、オス)が入り込み、かけ付けた警察官や村の職員によって約1時間後に捕獲され、県内の山に放たれた珍事。新聞やテレビなど全国ネットで取り上げられ、図書館が一躍有名になった。なお、村立図書館は、富山地方鉄道の越中舟橋駅と一体となったユニークな施設。駅と図書館の組み合わせ(平成10年に誕生)は北陸初の試みだ。
同教科書では、新聞やテレビのニュースについて、自分はこう考える、自分ならこうする、とスピーチする「このニュース、わたしはこう思う」の課題の中でこの騒動を紹介。ニュースの一例として、“ニホンカモシカ、図書館に乱入”のタイトル付きで新聞記事形式の文章、写真を載せている。ニュースのどこが気になったか、新しく知ったことは何か、普段の生活とどう関連するかなど、子ども自身の知識や経験と結び付けて、意見をまとめる力を養うことをねらいとしている。
「人間のせいで、カモシカの居場所がなくなっているのだとしたら、つかまえられたカモシカも気の毒だ」などと感想・意見の一例を紹介しており、実際に子どもたちが記事を読んで、どのような感想を持ち、どうスピーチするか、興味深いところだ。
子どもたちにこの騒動を紹介し、自然とのかかわりや、絵本の楽しさを伝え、話題となっている絵本『カモシカとしょかん』(絵:水上悦子さん、絵:魚瀬ゆう子さん)も紹介しよう。騒動の翌年7月に村立図書館で制作。図書館では、図書館スタッフ、村長、村職員、ボランティアらが定期的におはなし会を開いており、折にふれこの『カモシカとしょかん』を紹介している。
絵本では、子どもたちのあとをついて村立図書館にやってきたカモシカの「カーモくん」が、おばさんの声に驚き、本箱に飛び乗り、絵本をばさばさ落っことし、あっちこっち走り回るユーモラスな様子が描かれている。カモシカ救助隊が広げた網をくぐりぬけ、小さな部屋に逃げ込み、「みんなといっしょにえほんをよんでもらいたかっただけなのに。おうちにかえりたいなあ。」と窓から青空をみながらつぶやくカーモくんの姿がなんとも愛おしい。
村立図書館の高野良子司書係長は「騒動の当日、たまたま館外にいた私は、自動ドアが開ききるのを待ってトコトコと図書館に入っていくカモシカの後ろ姿を目撃した。館内を歩き回ったり、本棚に飛び乗ったりしたが、たいした被害もなかった。後日、騒動の様子を撮った写真を前に“図書館10周年のお祝いにきたんだ、絵本が読みたかったんだ、電車に乗ってきたのかなあ”などの声が聞かれ、館内が和やかな雰囲気に包まれた。この騒動が教科書にまで取り上げられるとは思ってもみなかった。子どもたちが自然や環境について考えるきっかけになってほしい」と話している。
●カーモくんクッキー誕生、舟橋をPR
カモシカ騒動にちなんだ「カーモくんクッキー」が、立山舟橋商工会女性部からこのほど商品化されたニュースも紹介しよう。舟橋特産の枝豆とかぼちゃ、立山産の米粉(65%使用)を組み合わせた手作りクッキーで、サクサクとした食感、枝豆とかぼちゃの風味、自然な甘みが魅力。食物アレルギーに配慮し、卵を使用していない。県の元気な商工会地域づくり支援事業の助成を受け、立山町の洋和菓子店の協力を得て1年がかりで商品開発した。
表裏(グリーンとオレンジ)にカモシカのキャラクター・カーモくんのイラストがデザインされた紙袋の中に、枝豆味とかぼちゃ味のクッキーがそれぞれ3個ずつ入っており、6個セットで500円。紙袋はCDアルバム入れなどにリサイクルが可能。また、短冊形の商品説明書も本のしおりとして利用できる。カーモくんのイラスト入りのシールも製作した。
4月3日に村内の天然温泉「湯めごこち」で初めて販売し、限定200袋を完売。カーモくんのユーモラスなイラストも子どもたちの目を引いた。カモシカが図書館に迷い込んだ7月3日にちなみ、5月3日(火・祝)に「湯めごこち」で一般に販売するほか、村立図書館の2階にある商工会舟橋支所で村外からの視察者らにも販売する予定だ。
立山舟橋商工会女性部では、「平成21年の立山町と舟橋村の商工会合併、カモシカ騒動が商品開発のきっかけになった。試作を重ね、ようやく販売にこぎつけた。舟橋村の新しい土産品に育て、クッキーを通して村の魅力を伝えていきたい。今後、カーモくんのイラスト入りTシャツの販売も考えていきたい」と話している。
問い合わせ
「カモシカ騒動、国語教科書」について
●舟橋村立図書館
TEL&FAX.076-463-5831
http://www.vill.funahashi.toyama.jp/facility/library/
「カーモくんクッキー」について
●立山舟橋商工会
TEL.076-463-1221
FAX.076-463-1244
http://www.shokoren-toyama.or.jp/~tatefuna/