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2008年 6月 4日 [ イベント ]

No.355-1:世界遺産の相倉合掌造り集落、ライトアップ


 (財)世界遺産相倉合掌造り集落保存財団は今年度、7月から3月までに5回、相倉集落のライトアップを実施する。7月は、東海北陸自動車道全線開通記念前夜ライトアップとして、3日(木)〜5日(土)19:00〜21:00に予定している。窓明かりを基本に、住民の生活感がにじみ出るような幻想的な光の演出を施す計画だ。

▲写真提供:池端 滋氏

●7月から3月まで5回のライトアップを計画

 水田に映る逆さの合掌造り、稲穂の波と窓明かりの美しさ−−。(財)世界遺産相倉合掌造り集落保存財団は今年度、7月から3月までに5回、相倉集落のライトアップを実施する。計画では、東海北陸自動車道全線開通記念前夜ライトアップ<7月3日(木)〜5日(土)19:00〜21:00>、夏休み期間ライトアップ<8月6日(水)〜8日(金)19:00〜21:00>、平の祭期間ライトアップ<9月25日(木)〜27日(土)18:00〜21:00>、紅葉秋じまいライトアップ<11月12日(水)〜14日(金)17:00〜20:00>、春待ちライトアップ<3月中>を予定しており、滞在型観光の促進につなげる考えだ。

 相倉集落のライトアップは平成18年2月に世界遺産登録10周年と南砺市誕生1周年を記念して始まったが、年に1回程度しか行われてこなかった。7月5日の東海北陸道の全線開通をきっかけに、中京圏から訪れる観光客にシーンと静まりかえった集落の夜の佇まいを体感してもらおうとライトアップの回数を増やすことにした。

 相倉集落は庄川沿いの山稜の中腹傾斜地にある。天然のブナ林などに囲まれた23棟の合掌造りがひっそりと佇んでおり、集落内には住民約80人が生活している。ライトアップでは、合掌造り家屋に強い光を当てるのではなく、橙色に染まった障子窓とそこからもれる窓明かりを基本に、住民の生活感がにじみ出るような幻想的な光の演出を施す計画だ。合掌造りは江戸時代末期から明治時代に建てられたものが多く、室内の明かりで浮かび上がる、ケヤキの巨木を使った梁や囲炉裏の煙で黒光りした丸太などにも人の暮らしの歴史が感じられる。

●闇の美しさ、静けさも格別

 (財)世界遺産相倉合掌造り集落保存財団の池端滋理事長は、「陽の光に照らされた日中の集落や合掌造りの佇まいには独特の情緒や美しさがあるが、闇に包まれた集落、月の明かりに浮かび上がる茅葺き屋根の眺めなど、夜ならではの魅力もある。漆黒の闇ならではの静寂さもいい。はっきりと見えないからこそ伝わってくる自然や人のエネルギー、気配があるだろう。そして、窓明かりによって、人の営み、暮らしの息遣いがにじみ出てくる。そこから山里の生活の温かさ、家庭の温もりを感じてほしい。相倉集落は人が暮らす世界文化遺産。ライトアップでその魅力を発信していきたい」と話している。

 明かりに関連する話題として、相倉合掌造り集落は菅沼合掌造り集落とともに昨年度、「とやまストップ温暖化アクト賞」の知事賞を受賞していることも紹介したい。とやまストップ温暖化アクト賞は、地球温暖化防止の優れたアイデアや対策技術の導入など、その取り組みが優れている個人や団体、企業を表彰するもので、県が昨年度初めて創設した。合掌造り集落では、各戸の「白熱電球」を電力消費量の少ない「電球形蛍光灯」に一斉交換し、その取り組みを広報するなど、地球温暖化防止の普及啓発に努めている。集落内の民宿に宿泊し、そんな取り組みについて話を聴き、自分なりのエコライフを考えてみるのもいいだろう。




問い合わせ
●(財)世界遺産相倉合掌造り集落保存財団
TEL.0763-66-2123
FAX.0763-66-2180
http://www.g-ainokura.com/

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