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2008年 1月 9日 [ トピックス ]

No.334-1:日本初!「コシヒカリ」を赤米化した「富山赤71号」開発


 富山県農業技術センターは、「コシヒカリ」の玄米の色を赤くした水稲新品種「富山赤71号」を開発した。従来の赤米品種に比べて、色つや・食味が良いのが特徴。抗酸化性ポリフェノールの一つであるタンニン系色素を多く含んでおり、健康志向に対応し、慶事などにも活用できる。

●抗酸化性ポリフェノールを多く含有

 富山県農業技術センターは、「コシヒカリ」の玄米の色を赤くした水稲新品種「富山赤71号」を開発した。食生活が多様化するなか、健康志向に対応し、慶事などにも活用できる美味しい赤米品種の育成を目指して平成11年から取り組んできたもの。「コシヒカリ」から生まれた日本初の赤米だ。

 「富山赤71号」は、玄米を赤色にする2つの遺伝子(Rc、Rd)を「コシヒカリ」に取り込んだ系統を選抜し、「コシヒカリ」の遺伝子を98%引き継いでいる。「コシヒカリ」のように適度な粘りや甘みがあり、従来の赤米品種に比べて、色つや・食味が良いのが特徴。また、血栓などを防ぐといわれる抗酸化性ポリフェノールの一つであるタンニン系色素を多く含んでいるのも大きな特徴で、家庭での日常食や外食産業での健康を意識したメニューの食材など、健康志向の食品としての需要も期待できる。赤い色は子どもの興味を引き、食育などにも使える食材として注目を集めそうだ。

 赤米のタンニン系色素は糠層に含まれるため、玄米や95%搗精(とうせい)[5分搗(づ)き]などで食べるのが一般的で、「富山赤71号」はいずれの搗精歩合でも従来の赤米品種より美味しいというデータが得られている。

●国に品種登録申請

 「コシヒカリ」の遺伝子を引き継いでいることから、稲の栽培方法は「コシヒカリ」と同じという「富山赤71号」。ただし、穂が出る時期や稲の外観も同じで、「富山赤71号」と「コシヒカリ」を近くで栽培すると品種が交じるなどのおそれがある。このため、籾(もみ)や葉先に色をつける、出穂の時期をずらすなど、「コシヒカリ」と識別できるようにするための品種改良が必要となっている。
 
 県では、全国に先駆けて独自品種の育成者権を確保するため、現時点での名称「富山赤71号」で昨年11月に農水省に品種登録申請を行った。今後の予定としては、平成20年度に小規模に5aほど栽培し、試験販売する。品種改良を重ね、3年をめどに正式命名・品種登録を行い、本格的な栽培を目指す。

 富山県農林水産部農産食品課では「『富山赤71号』は鮮やかな赤色と、『コシヒカリ』の美味しさを両立させた赤米の新品種。白色の『コシヒカリ』と並べて、紅白で使うなど、おめでたい席にも活用できる」と話している。



問い合わせ
●富山県農林水産部農産食品課
TEL.076-444-3283
FAX.076-444-4410
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1613/

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