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2007年 11月 7日 [ トピックス ]

No.325-1:全国学力テスト、富山の児童生徒は全国トップクラス


 今年4月に小学6年生と中学3年生の全員を対象に実施された「全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)」。富山県内の児童生徒の平均正答率は、全国トップクラス。富山の教育水準の高さを示す形になった。

●全教科で全国平均を上回る

 今年4月に小学6年生と中学3年生の全員を対象に実施された「全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)」。富山県内の公立小中学校の各教科別の平均正答率は、全国平均を上回り、全国トップクラスとなり、富山の教育水準の高さを示す形になった。

 全国学力テストとは、文部科学省が児童生徒の学力・学習状況を把握・分析し、学力向上につなげる目的で43年ぶりに実施したもの。県内の公立では小・中・特別支援学校合わせて293校、19,189人がテストを受けた。小学校は国語と算数、中学校は国語と数学の各教科で、問題Aと問題Bがそれぞれ出題された。

 県内の児童生徒の平均正答率を紹介すると、小学国語Aが83.9%(全国81.7%)、小学国語Bが66.0%(全国62.0%)、小学算数Aが85.8%(全国82.1%)、小学算数Bが66.4%(全国63.6%)、中学国語Aが85.7%(全国81.6%) 、中学国語Bが77.0%(全国72.0%)、中学数学Aが77.2%(全国71.9%)、中学数学Bが65.9%(全国60.6%)だった。

 問題Aと問題Bの平均正答率を比較すると、問題Aに比べ、問題Bの方が約10〜20ポイント程度低く、全国と同様な傾向だった。県内の小学国語では17.9ポイント、小学算数では19.4ポイントと、AとBの間に差があり、活用する力に課題を残した。正答数ごとの県内の児童生徒の分布を示す標準偏差については、すべての教科で全国(公立)平均を下回り、全国と比べて成績のばらつきが小さかったことが特徴。
 
 “教育県富山”では、基礎学力を高めようと、児童生徒や家庭、教育現場が努力を重ねてきた。今年4月には、県教育委員会に学力向上推進チームが発足。今後チームが中心となって、テスト結果を分析し、とやま型の学力向上プログラムの作成と普及に取り組んでいく考えだ。

●塾通いが少なく、家庭で効率的に勉強

 学力テストとともに学習状況や基本的生活習慣も調査され、富山の児童生徒の姿が浮かび上がってきた。学習状況などに関する調査では、学校の授業時間以外に普段、1日2時間以上勉強すると答えた県内の児童生徒の割合は、小学6年14.5%(全国25.5%)、中学3年23.4%(全国35.4%)と全国平均を大きく下回り、学習塾に通っていない割合は小学6年65.3%(全国55.1%)、中学3年49.3%(全国40.2%)と全国平均を上回っていることが分かった。学習時間と学力の関係は明らかではないが、県内の児童生徒は家庭で短時間に効率的に勉強しながら全国トップクラスの学力を身に付けていることがうかがえる。

 基本的生活習慣に関する調査では、朝食を家族と普段、一緒に食べている県内の児童・生徒の割合は小学6年52.0%(全国41.7%)、中学3年36.5%(全国24.3%)と全国平均を上回っている。また、午後10時前に就寝する小学6年、午後11時前に就寝する中学3年の割合も全国と比べて高い。朝食を家族と一緒にしっかり食べ、規則正しい毎日を過ごしている児童生徒が全国に比べて多いことが分かる。

 自然との触れ合いという面では、海、山、川などで「何度も遊んだことがある」、「時々ある」と答えた児童生徒の割合が全国平均に比べて低かった。自然環境に恵まれた富山県とすれば意外なデータだが、これは身近に自然があり、ことさら自然体験と意識せずに触れ合い、遊んでいるからかもしれない。

 富山県教育委員会では、「学力水準については、全体として良好であるものの、活用する力に課題が見られることから、一人一人に目を向けたバランスのとれた学力の向上を目指していきたい。また、生活習慣の調査では、早寝早起き、朝食をしっかり食べて登校する児童生徒が全国に比べて多いことが分かった。きちんとした生活習慣が学力向上に結びつく。今後も学習面と生活面の充実に向けた総合的な取り組みに努めていきたい」と話している。



問い合わせ
●富山県教育委員会小中学校課
TEL.076-444-3449
FAX.076-444-4436
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/3002/

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