富山県の魅力を国内外に発信・PRする新しい観光キャッチフレーズ。国内向けキャッチフレーズに「パノラマ　キトキト　富山に来られ」、海外向けキャッチフレ−ズに「Toyama:Where Japan goes to relax！」が決定した。

●フレーズ全体としてリズム感があり、「来られ」に余韻も

　富山県の魅力を国内外に発信・PRする新しい観光キャッチフレーズ。国内向けキャッチフレーズに「パノラマ　キトキト　富山に来られ」、海外向けキャッチフレーズに「Toyama:Where Japan goes to relax！」が決定した。

　昭和57年以来使用されてきた「いい人　いい味　いきいき富山」に替わる新しい観光キャッチフレーズの策定に向け、富山県及び(社)富山県観光連盟は国内向けキャッチフレーズと、新たに海外向けキャッチフレーズを昨年12月27日〜今年1月31日に公募した。国内向けには2,696点、海外向けには420点の作品が県内外から寄せられ、「新キャッチフレーズ等選定委員会」での審査の結果、最優秀賞1作品、優秀賞3作品をそれぞれ選んだ。

　国内向けの最優秀作品に選定されたのは、富山市出身の1級建築士 山本和弘さん(東京都港区)の作品「パノラマ、キトキト”富山”」。これに富山への誘客を直接的に訴える富山弁の「来られ」を選定委員会で追加し、新キャッチフレーズとして仕上げた。山本さんの作品の、立山連峰から富山湾にかけての“雄大な自然景観”と魚介類をはじめとする“新鮮な食”といった富山の観光資源の魅力やイメージを表現している点が選定につながった。また、「パノラマ」という言葉が自然だけでなく、文化や歴史などを含めた景観が広くイメージできるという点も評価された。「パノラマ　キトキト　富山に来られ」を読み上げると、4・4・7文字にリズムがあり、最後の「来られ」には優しさや柔らかさ、余韻が感じられるのも魅力となっている。

●癒しの富山、JAPANを擬人化

　海外向けキャッチフレーズは、富山県射水市在住の外国語指導助手、ダニエル・レイナーさんの作品。訳すれば、「富山：日本人が癒されるところ」という意で、“海外の人々を強く惹きつける表現であり、自然や食、温泉、文化、歴史など人の心を癒す富山の多様な観光資源を思い起こさせる”ことが選定理由。単語を見ると、“JAPANESE”としたいところをあえて“JAPAN”として擬人化している点がユーモラス。また、富山のことを知らない外国人がフレーズを見ても、“JAPAN”という文字によって日本ということがすぐに理解される点が高評価につながったという。

　選定委員会の渡辺康洋座長(富山大学芸術文化学部教授)から国内向け、海外向けキャッチフレーズの報告を受けた石井県知事は、「地名を置き換えても通用するキャッチフレーズが全国に多いなか、富山の特徴を表現した、いいワードが並んだ。他地域との差別化も図れる」と感想を述べた。

　なお、国内向けキャッチフレーズの優秀作品には、「旅は越中、海・味・富山。」、「山あり　海あり　キトキト富山」、「ときめき　やすらぎ　まんてん富山」、海外向けキャッチフレーズの優秀作品には「Toyama-a treasure house of nature」、「Fascinating Discovery,TOYAMA」、「Hometown Toyama of your heart」の各3点が選定された。

　富山県商工労働部観光課によると、寄せられた全作品のうち、国内向けについては、立山や海、水などの自然、ブリ、シロエビ、ホタルイカ、ますのすしなどの食・味、“キトキト”、“来てみられ”、“こられんか”などの富山弁を用いた作品が多かったことが特徴。また、「薬の富山」から癒し効果や元気が得られるというイメージを訴える作品、温かい人情、おもてなしの心を表現した作品も見られたという。一方の海外向けでは、富山が日本の良さを実感できる県であることや、日本の真ん中にあることを表現した作品などが印象的だったという。応募作品から県内外の人が富山をどう見ているか、どのようなイメージを持っているか、その一端が見えてくるようだ。

　県観光課では「今後、県内外のデザイナーによる指名コンペを行い、7月下旬には国内向けキャッチフレーズにふさわしいシンボルマークを決定したい。決定後は、新しいパンフレット等を作成し、特に今年度末の東海北陸自動車道の全線開通に向け、中京圏を中心に観光キャンペーンを展開していきたい」と話している。



問い合わせ
●富山県商工労働部観光課
TEL.076-444-3200
FAX.076-444-4404
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1302/kj00004575.html