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2007年 2月 14日 [ トピックス ]
No.287-1:企画展「椅子の森から 20世紀の椅子コレクションより」開催
富山県立近代美術館の企画展「椅子の森から 20世紀の椅子コレクションより」が2月24日(土)〜3月25日(日)、同美術館で開催される。美術館所蔵の約150脚に、富山大学芸術文化学部が所蔵する10脚(北欧中心)を加えた約160脚が8つのテーマで紹介される。
●「すわってみよう!」で椅子の座り心地を確かめる
富山県立近代美術館の企画展「椅子の森から 20世紀の椅子コレクションより」が2月24日(土)〜3月25日(日)、同美術館で開催される。県立近代美術館では、椅子を通して20世紀のデザインを概観することを目指し、1990年から、“量産を念頭においたデザイン”、“発表当時のまま、現在も生産が続いている”、“20世紀の椅子の系譜を辿るにふさわしい代表的なデザイン”という観点から国内外の椅子を収集。そのコレクションは、19世紀半ばのトーネットの「曲木椅子」から、現在活躍中の世界的な建築家、フランク・O・ゲーリーの「ウィグル・サイド・チェア」まで、約180種類にも及んでいる。
この企画展では、美術館所蔵の約150脚に、富山大学芸術文化学部が所蔵する10脚(北欧中心)を加えた約160脚が紹介される。20世紀の椅子デザインを紹介する「かけあしモダンデザイン」、素材に焦点をあてた「木の椅子をみる」、「金属の椅子をみる」、「素材と技術」、造形に焦点をあてた「ふしぎな椅子たち」、新時代のデザインを予感させる「現代のデザイン」など、8つのテーマで構成され、展示された椅子をただ鑑賞するだけではなく、「すわってみよう!」では実際に座って椅子の感触を確かめることもできる。“椅子の森”を歩くばかりではなく、休憩しながらその森を眺められるという趣向だ。
●シンプルなデザインに赤と青の配色が冴える
名作と呼ばれる椅子を紹介しよう。ヘリット・トマス・リートフェルト(オランダ)の「レッド・アンド・ブルー」は、80年以上前に製作されたものとは思えないほど配色が美しいアーム・チェア。家具職人として出発したリートフェルトは、規格化された板や角材を用いた椅子のデザインを模索。最初は無着色だったが、画家モンドリアンらが中心となって起こした芸術運動「デ・ステイル」に参加したメンバーの助言で赤、青、黄、黒の着色を施したという。それから10年以上後に製作されたサイド・チェア「ジグザグ」は、継目のない板による造形が印象的だ。
20世紀を代表する建築家、ミース・ファン・デル・ローエ(ドイツ)の「バルセロナ・チェア」は、1929年のバルセロナ万博の際、ドイツのパビリオンに招かれたスペイン国王夫妻のための“王座”のデザインがもとになっている。脚から背にかけての金属の曲線が美しく、優雅なひとときを演出してくれる。ローエは「椅子をつくることは、摩天楼をつくることより難しい」と椅子への想いを語ったという。
県立近代美術館では「“名作と呼ばれる一脚は、理屈抜きに美しい”の一言に尽きます。椅子の森を歩きながら、鑑賞者自身のお気に入りの一脚を選んでみてください。オープニング記念として、2月24日(土)には、武蔵野美術大学名誉教授の島崎信氏の講演会“名作椅子を愉しむ”を催します。ぜひ聴講ください」と話している。
問い合わせ
●富山県立近代美術館
TEL.076-421-7111
FAX.076-422-5996
http://www.pref.toyama.jp/branches/3042/3042.htm