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2007年 1月 17日 [ トピックス ]
No.283-1:純白の花を咲かせる、チューリップの新品種「春天使」誕生
チューリップの花咲く春が待ち遠しい季節。富山県農業技術センター野菜花き試験場がチューリップの新品種「春天使」を開発したニュースをお届けしよう。12月〜1月頃に切り花として出荷できる点が特徴だ。
●冬用の切り花に適した品種
チューリップの花咲く春が待ち遠しい季節。富山県農業技術センター野菜花き試験場が、純白の花を咲かせるチューリップの新品種「春天使」を開発したニュースをお届けしよう。
県内で栽培されているチューリップの品種は現在400品種ほどあり、そのうちの200品種ほどが切り花用として県内で栽培されているが、12月から1月頃の出荷に適した白系品種が少ない。そこで、同試験場では農林水産省の委託を受け、白系でボリューム感があり、促成栽培に適した品種開発が進められてきた。
「春天使」は、純白の羽根を持つ天使のような愛らしさをイメージして名付けられた。冬用の切り花として出荷できることや、開花・草丈の揃い(30cm弱)が良く、茎と葉も強健で花壇用に適するなど、用途の範囲が広い。冬用の切り花にするには、夏に掘られた球根を9〜10月の約2カ月間、冷蔵庫で保存したあと、11月から温室で促成栽培する。そうすると12月に開花し、クリスマスや年末年始の贈答用として出荷できる。全国のチューリップ、切り花産地での栽培に適していることもアピールできる点だ。
●28番目の県育成品種
「春天使」育成の経緯は、昭和59年4月に赤色の「クリスマス レッド」(農林5号)を種子親、白色の「アルビノ」を花粉親として交配。平成13年、有望な系統として「砺波育成113号」と系統名が付けられ、系統適応性試験などの結果が優秀だったことから、平成18年5月に命名登録(農林水産省の委託により育成された品種で、その特性が優良で、普及に資する品種として登録するもの)を申請、10月に「チューリップ農林28号」として登録された。
現在、育成者の権利保護のために「春天使」として品種登録(種苗法に基づいた登録、育成した品種に関する権利<育成者権>が得られる)を出願中で、2〜3年後に登録される見込み。品種登録後は、県内の球根・切り花生産農家へ普及させる計画となっている。市場での流通は平成22年頃から始まる予定。
富山県農林水産部農業技術課では「切り花用の主要品種となるように球根の増殖を進めていきたい。白色のチューリップの品種は少なく、市場での商品価値は高い。」としている。
県がこれまでに育成したチューリップは、鮮明な黄色で大輪の花を咲かせる「黄小町」、白色に桃色の覆輪(2色)咲きの「初桜」、晩生大型品種で濃橙赤色(オレンジ系)の花色を持つ「紅ずきん」など27品種あり、「春天使」は28品種目。今年4月20日(金)から5月6日(日)に砺波市で開催される「2007となみチューリップフェア」(会場:砺波チューリップ公園)では「春天使」の清楚な姿が見られるだろう。
問い合わせ
●富山県農業技術センター野菜花き試験場
TEL.0763-32-2259
FAX.0763-33-2476
http://www.agri.pref.toyama.jp/