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2006年 11月 29日 [ トピックス ]

No.276-1:海から、野から富山の冬の味覚情報をお届け


 師走も間近。冬の雷鳴とともに富山湾の寒ブリ漁が本格化する。海の幸と野の幸を組み合わせた冬の味覚を代表するのが、「かぶら寿し」。白かぶでブリの大きな切り身をはさみ、麹をつけて熟成させたもので、白かぶのシャキッとした歯ざわりとブリの旨味、麹の自然な甘みが堪能できる。南砺市では、干柿づくりが最盛期を迎えている。

▲かぶら寿し

●富山湾のキトキトの幸やかぶら寿しに舌鼓

 師走も間近となり、富山の冬の味覚を代表するのが、ブリ料理。冬の雷鳴とともに富山湾の寒ブリ漁が本格化するが、氷見漁港ではすでに3,000本余りのブリの漁獲があり、幸先のよいスタートを切っている。脂ののった刺身や、アラ・大根・昆布にしょうゆ、酒、みりんを加えて煮たブリ大根、塩焼き、照り焼き、フト(胃袋)のなま酢など、頭から身、内臓までどこも捨てるところがないほど無駄のないブリの美味しさを実感できる。

 このほか、新湊産のズワイガニ、甲羅の紅色が鮮やかなベニズワイガニ、天ぷらにすると柔らかな食感が楽しめるゲンゲ、こりこりとした歯ざわりのアオリイカ、淡白な白身が鍋や汁物にぴったりのタラ、独特の甘みが口の中に広がる甘エビなど、豊饒の海・富山湾ならではキトキトの幸が舌を喜ばせてくれる。

 一方、海の幸と野の幸を組み合わせた冬の味覚を代表するのが、「かぶら寿し」。白かぶでブリの大きな切り身をはさみ、麹をつけて熟成させたもので、白かぶのシャキッとした歯ざわりとブリの切り身の旨味、麹の自然な甘みが堪能できる。

 南砺市福光の(株)ヨネダでは、地元の契約農家から仕入れた、しっかりとした身の白かぶに、塩を使わずに旨味を引き出したブリをはさみ樽で2週間ほど低温熟成。手づくりの特製甘酒と研究に研究を重ねた麹をたっぷり使用し、昔ながらの漬け込み方で風味豊かで自然の甘みを持つかぶら寿しを作っている。合成保存料や液糖などを一切使用せず、生産・販売も地元産白かぶの収穫時期にあたる冬季限定としているのが特徴だ。

 米田数彦社長は「刺身になるほどの鮮度を生かしたブリの切り身と聖護院系の旨みのある白かぶにこだわっている。麹をたっぷり使ったかぶら寿しは乳酸菌のかたまりのようなもので、おなかの調子もよくしてくれる。美味しさを堪能してほしい。」と話している。

●富山干柿の生産が最盛期

 南砺市の旧福光町と旧城端町の生産農家では、12月上旬からの市場流通に向けて、干柿づくりが最盛期を迎えている。皮をむいた三社柿(さんじゃがき)という渋柿が竹ざおに吊されてずらりと並ぶその様子は、まるで橙色のブラインドのようで、早いものでは、美しいあめ色になって出荷直前のものもある。

 この地方では約380年前の江戸時代初めに干柿づくりが始まったとされる。寒冷で乾燥した気候が干柿の生産に適し、独特の甘みを生み出すという。現在280人の生産農家で構成する富山干柿出荷組合連合会によって、毎年12月から1月にかけて、約600万個が全国に向けて出荷されている。出荷額は全国の産地の五指に入るほどだ。

 三社柿の収穫は10月末から11月下旬にかけて順次行われる。収穫後、へた取り、皮むき、吊りだし、いおう燻蒸、ガラス室での天日干しを経て、練炭室、日陰などでの乾燥を繰り返す。1個1個手もみし、整形し、表面に果糖の凝縮した白い粉があらわれたら出来上がりとなる。収穫から乾燥、出荷まで、約1カ月。皮むき機や乾燥機など、機械が工程の一部に導入されているとはいえ、根気のいる作業が続く。

 果肉が柔らかく、甘くておいしい富山干柿は、食物繊維やビタミンなどを豊富に含む。富山干柿出荷組合連合会の鵜野伊光会長は「今年の秋は台風の被害もなく、また朝と晩の寒暖の差があって、三社柿の成育もよかった。品質のよい干柿が出荷できそう。年末年始の贈答品などにご利用を」と話している。

 今冬は富山を旅し、飲食店や旅館、ホテルなどで冬の味覚を楽しんでみてはいかがだろう。



問い合わせ
<「氷見の寒ブリ」について>
●氷見市水産漁港課
TEL.0766-74-8102
FAX.0766-74-8104
http://www.city.himi.toyama.jp/~30400/

<「かぶら寿し」について>
●(株)ヨネダ
TEL.0763-52-8123
FAX.0763-52-6228
http://www.kabu-yoneda.co.jp/

<「富山干柿」について>
●富山干柿出荷組合連合会
TEL.0763-52-0078
FAX.0763-52-0077

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