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2006年 11月 15日 [ トピックス ]
No.274-1:県政運営の羅針盤、新総合計画の中間報告まとまる
富山県では、20年後を見越して、おおよそ10年後の平成27年頃に期待される県の姿、目指すべき将来像を描き、その実現に向けた政策などを明らかにした新しい総合計画を今年度中に策定する。これまでのパブリックコメントや県総合計画審議会での議論などを踏まえて取りまとめた中間報告がこのほど発表された。
●活力とやま、未来とやま、安心とやまを柱に
少子高齢化の進行、人口減少時代の到来、グローバル化・情報化の進展、北陸新幹線の開業(平成26年度末まで)など、富山県を取り巻く社会環境は大きく変化している。県では、20年後を見越して、おおよそ10年後の平成27年頃に期待される県の姿、目指すべき将来像を描き、その実現に向けた政策などを明らかにした新しい総合計画を今年度中に策定する。これまでのパブリックコメントや県総合計画審議会での議論などを踏まえて取りまとめた中間報告をこのほど発表した。
新総合計画は、目指すべき将来像とその実現に向けた政策などを示した「総論編」、51政策を達成するため、政策ごとに取り組みの方向、重点施策や目標の達成状況を検証するための参考となる指標などを盛り込んだ「基本計画編」、平成27年度以降を視野に入れ、継続的に取り組む重点課題、将来の課題などをまとめた「長期構想」で構成されている。
目指すべき将来像として、「活力とやま〜知恵と技術を活かした活力あふれる地域づくり〜」、「未来とやま〜未来を築く人づくり・美しい県土づくり〜」、「安心とやま〜健康で安全・安心な暮らしづくり〜」の3つを政策の柱とし、「県民一人ひとりが生きがいをもって、生き生きと快適に安心して暮らし、国の内外から高い評価を受けている日本のモデル県」の実現を目指すこととしている。
「活力とやま」の将来像は、勤勉で粘り強く積極進取の気性に富む県民性、日本海側屈指の産業集積、豊かな水資源を活かし、創意工夫に満ちた意欲ある取り組みが幅広い分野で展開されているいきいきとして活力あふれる県。18政策を掲げ、新規創業への支援や産学官の連携の推進などにより産業を活性化。また、北陸新幹線の開通などを睨んで、観光、商業・サービス業などの振興、交通・都市基盤の整備を推進し、活力ある県づくりを目指す。
「未来とやま」の将来像は、明日を担う人材が健やかに育まれ、郷土を愛し、自立した県民によって多彩な文化活動や美しい県土づくりが進められている未来への希望に満ちた県。子育ての支援や生涯をとおした学びの推進、男女共同参画の推進、豊かで美しい森づくり・花と緑の地域づくりなど、16政策を掲げ、未来を切り拓く、たくましい、心豊かな人づくりを進める。またNPOや文化活動など多彩な県民活動を推進する。
「安心とやま」の将来像は、豊かな自然や生活環境を生かし、住み慣れた地域の中で、健康で快適に、安全で安心して暮らせる県。医療の充実、地域福祉の推進、高齢者・障害者福祉の充実、生活環境の保全、地域の安全の確保など、17政策を掲げ、安全・安心で快適な生活が送れる県づくりを進める。
●「世界をつなぐ交流拠点構想」(富山・ユーラシア大陸横断物流ネットワーク構想他)など、長期的な構想を示す
平成27年度以降を見据え、21世紀の富山県のさらなる飛躍を目指す長期的な構想として、「ものづくり立県構想」、「世界のブランド・食の王国とやま構想」、「世界をつなぐ交流拠点構想」、「国際的な学術・文化交流拠点構想」、「世界の“立山・黒部”構想」、「“神秘の宝庫富山湾”構想」、「生命科学を活かした健康・長寿の先進県構想」、「水と緑の快適空間構想」の8つのテーマを掲げていることも総合計画のポイントだ。
「ものづくり立県構想」では、電子部品や機械、金属、化学工業など日本海側屈指の工業集積と、高岡銅器、井波彫刻など高度な技術を持つ伝統産業をバックボーンに、ロボット・バイオなどの成長分野の拠点形成、日本の伝統工芸品修復基地の形成などを示している。
「世界をつなぐ交流拠点構想」では、中国、韓国、ロシアなど海外定期航空路の充実による、東アジア1泊ビジネス圏構想をはじめ、アジア、ヨーロッパ、アフリカを鉄道で結ぶ国連のトランスアジアレールウェイ構想と伏木富山港、東海北陸自動車道などを接続させ、物流の拠点を形成する富山・ユーラシア大陸横断物流ネットワーク構想など、壮大な構想を掲げている。
「世界の“立山・黒部”構想」では、立山・黒部を登山が自然探勝のエリアとしてだけでなく、山麓に伝えられる立山信仰などの歴史・文化、温泉療法などを組み合わせた複合的な魅力をもつ山岳観光地になることを目指す。
また、「“神秘の宝庫富山湾”構想」では、観光船でのブリ・フクラギの釣り上げや、シロエビ等の底引き網などを体験するクルージング、「生命科学を活かした健康・長寿の先進県構想」では、漢方薬店や薬膳料理店などが集まる「くすり横町」の開設、「水と緑の快適空間構想」ではLRT環状線化等、公共交通ネットワークの整備などを示している。
富山県知事政策室総合計画班では「新総合計画は県政運営の羅針盤となる計画。“施策の実施によって県民生活にどのような成果がもたらされたか”という県民の視点に立った成果を重視している。県民の皆さんからいただいた意見、パブリックコメントを生かした総合計画を策定したい」と話している。
問い合わせ
●富山県知事政策室 総合計画班
TEL.076-444-4058
FAX.076-444-4561
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1002/