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2003年 6月 11日 [ トピックス ]

No.119-3:棟方志功生誕百年で人力車が福光町を駆ける


●郷愁をそそる人力車の風情

 戦中、戦後に、福光町に疎開していた板画家・棟方志功の生誕百年に合わせ、福光町商工会青年部の有志らが6月21日(土)から人力車を使った観光案内を始める。江戸時代の面影が残る新町通りや棟方志功記念館「愛染苑(あいぜんえん)」、福光滞在中の住居「鯉雨画斎(りうがさい)」など、町中心部の観光名所を巡るもので、時間にして約1時間、往復約2・の人力車の旅が楽しめる。また、町内の名所に加えて、ドジョウの蒲焼き、薬膳そばなどの店も紹介される予定だ。
 2人乗りの人力車は岐阜県高山市のメーカーに製造を依頼した新品で、大きな車輪に黒い幌、深紅の内装がレトロな雰囲気を漂わせている。引き手は青年部のメンバーで、開業に向けて今春から研修を重ねてきた。引き手のなかには女性のメンバーもおり、緩やかな坂道をいなせな半纏姿で走る姿が印象的。練習風景を見た高齢者から「昔懐かしい風景に感激した」と感想も寄せられている。


●いきいきと描かれた天女や菩薩を鑑賞する

 板画家・棟方志功は、明治36年(1903)青森市で生まれ、今年が生誕百年にあたる。志功は、昭和20年(1945)4月から26年(1951)11月までの6年半あまりを福光町で過ごし、精力的に創作活動を行った。福光の自然や人を愛し、「鐘渓頌」、「火の願ひ板画柵」「女人観世音板画巻」、「瞞着川板画巻」など、多くの記念碑的作品を残している。人力車のコースとなっている福光滞在中の住居「鯉雨画斎」では、厠の壁や天井に天女や菩薩が描かれており、志功の無邪気な人柄、豊かな発想を感じることができる。
 なお、町郊外に建つ福光美術館では6月21日(土)から7月27日(日)まで「生誕百年記念 棟方志功 福光展‐わだばゴッホになる‐」が開催される。代表作約50点を展示し、志功の精神性に迫る企画展となっている。

問い合わせ
●人力車について/まちづくり会社「ふくみつ光房」
TEL.0763-53-1333
●生誕百年記念 棟方志功 福光展について/福光美術館
TEL.0763-52-7576

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