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2004年 11月 10日 [ トピックス ]
No.169-2:勝興寺の本堂竣工、創建時の壮麗な姿がよみがえる
●亜鉛合金葺きの優美な屋根
高岡市伏木古国府にある勝興寺(しょうこうじ)本堂の竣工式が11月19日(金)に行われ、21日(日)から一般公開が始まる。
本堂は間口39.5m、奥行37.5m、棟高23.5mの巨大な木造建築物。国の重要文化財に指定されており、寺院の本堂建築としては全国で8番目の規模と言われる。7年の歳月と18億円の費用をかけて行われた今回の修理は、約200年前に建立されて以来、初めての抜本的な修理となり、創建時の壮麗な姿と輝きが蘇った。
本堂の修理は、柱を立てたままの半解体の状態で進められた。建物全体が前方に約15cm傾いていたため、礎石の据え直しや柱の根継修正などは、建物全体をワイヤーで起こしジャッキアップしてから行われた。屋根はこれまで桟瓦で葺かれていたが、調査によって創建当初は鉛葺きであったことが判明。環境にも配慮して亜鉛合金葺きで復元した。
外陣(げじん:一般の人が礼拝するところ)、内陣(ないじん:本尊を安置する奥の間)の柱や天井なども、補筆による修理などが行われ、彩色が見事に蘇った。菊の紋で彩られた内陣の天井、内外陣境の巻障子などの金箔張りも荘厳なたたずまいを見せている。
●伝説に思いを馳せながら、伽藍を見学
勝興寺は、浄土真宗本願寺派の古刹。文明3年(1471年)、本願寺八世の蓮如上人が砺波郡蟹谷庄土山(現在の南砺市土山[どやま])に草堂(土山御坊(どやまごぼう))を建て、次男蓮乗(れんじょう)を住職として越中布教の拠点としたのが始まり。その後、幾多の変遷を重ねて同地へ移った。戦国時代には一向一揆の拠点ともなったほか、江戸時代には加賀藩・前田家とも関係を深めている。
この勝興寺では、2005年5月28日(土)に落成慶讃記念法要、29日(日)には蓮如上人五百遠忌が予定されている。また、七不思議とされる、「実らずの銀杏」、「天から降った石」、「水の涸れない池」、「屋根を支えるあまのじゃく」、「三葉の松」、「魔除けの柱」、「雲龍の硯」の伝説も興味深い。大きなイベントに限らず、歴史に思いを馳せながら、境内を散歩してみるのもいいだろう。
なお、勝興寺の伽藍では、今後、本堂に続いて式台や式台門、書院、唐門、総門など、11棟の修理が計画されている。すべてが終了したときには、近世社寺を代表する建築物として、富山県内では瑞龍寺に続いての国宝の指定が期待される。
問い合わせ
●雲龍山 勝興寺
TEL.0766-44-0037
(社)高岡市観光協会(詳細な地図もこちら)
TEL.0766-20-1547
FAX.0766-20-1497
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