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2005年 2月 2日 [ トピックス ]
No.181-1:国内初の取り組み、JR線の路面電車化−富山の路面電車の新展開
●国内初の取組み、JR路線の路面電車化
近年、環境に優しく、身近な乗り物として見直されている路面電車。県内では、富山市内を走る富山地方鉄道富山市内線と、高岡市と新湊市を結ぶ万葉線の2つの路面電車が運行している。
そして新たに富山市が、JRの富山港線を路面電車として再生させるという、国内で初めてとなる事業に取り組み、平成18年4月の開業を目指す。
このJR富山港線は、富山駅と富山市北部、富山湾岸の岩瀬浜駅を結ぶ全長約7.6km、駅数10の単線電化路線。大正13年の開業以来、北部地域に立地する重化学工業の発展を支える動脈として大きな役割を果たしてきた。現在でも経済活動や日常生活に欠かせない公共交通機関だが、近年のモータリゼーションの進展、沿線企業の移転、富山港線自体の利便性の低下などによって、利用者は年々減少しており、活性化が課題となっていた。
そこで、この富山港線の利便性を向上させ、利用しやすい公共交通として再生を図るために検討されたのが、路面電車化。平成16年4月に富山市が中心となり、第3セクターの運営会社・富山ライトレール株式会社を設立。8月に国土交通省へ事業許可と軌道事業特許を申請し、11月に認可を受け、平成17年度の「LRTシステム整備費補助金」にも採択された。また、すでにJR西日本からは鉄道資産がそのまま譲渡されている。車両デザインは公募により決定(写真上)したほか、路面電車としては全国2例目となる乗車券のデポジット(預かり保証金)制度を導入することも決まり、開業に向けて準備が着々と進んでいる。
計画では、富山駅から約1.1kmまでの区間は道路に軌道を新設し、その先の終点まで約6.5kmの区間は既存の施設を利用する。車いすやベビーカーでも楽に乗り降りできる次世代型路面電車(LRT)と呼ばれる超低床車両を導入し、13駅を結んで運行する。北陸新幹線の富山駅整備が現実化したなか、将来的には、富山駅周辺の高架化に併せ、同線は既存の他路線の路面電車(富山地方鉄道)と接続される計画だ。公共交通機関を活かして、駅北・駅南を一体化させたまちづくりが図られることになる。
●高岡の街の顔−万葉線新型車両
高岡市の高岡駅前と新湊市の越ノ潟間12.8kmを約40分で結ぶ「万葉線」。一時は廃止も検討されたが、平成14年より第3セクターの万葉線株式会社によって運行されている。
昨年1月には、低床型新車両「アイトラム」(MLRV1000型:写真下)が導入され、高岡の街の顔としてすっかり定着した。車両は真っ赤な配色に丸みを帯びたモダンなデザイン。出入り口のフットライト、車椅子の乗車スペースなど、ユニバーサルデザインが追求されている。車両の前部に、高岡の伝統産業である高岡漆器の螺鈿細工で製作した会社のシンボルマークが輝いているのも特徴。このアイトラムが導入されたことで万葉線の乗客は8月までで前年同期に比べ約5万人も増え、新型車両導入の効果が明確になった。
この冬には、冬期や降雨時でも利用しやすいよう電停に屋根をつけたほか、雪が降っても積もらないロードヒーティングを整備。また、スロープを取り付け、車いすでも乗降が容易になった。なお、MLRV1000デビューを記念した乗車券&グッズも発売されているので、希望者は下記までご連絡いただきたい。
問い合わせ
●富山ライトレール株式会社
TEL.076-405-1550
FAX.076-405-1553
E-mail:info@t-lr.co.jp
http://www.t-lr.co.jp/
●万葉線株式会社
TEL.0766-25-4139
FAX.0766-25-4119
E-mail:manyosen@p1.coralnet.or.jp
http://www1.coralnet.or.jp/manyosen/