「若林工房」(ＣＤの制作・販売　魚津市新金屋、若林忠嗣代表)の作品が、音楽雑誌『レコード芸術』(音楽之友社発行)の特選盤にこれまで5回選ばれるなど、音楽評論家やクラシックファンから高い評価を得ている。若林工房は、音楽愛好家で魚津市にある新川文化ホールの企画・運営などにも携わっている若林氏が2003年に設立した地方レーベル。これまでイリーナ・メジューエワ演奏(ピアノ)のショパン「スケルツォ集」、ヴァレリー・アファナシエフ演奏(ピアノ)のベートーヴェン「最後の3つのソナタ」など、9枚のＣＤを制作している。

●2003年に設立した地方レーベル「若林工房」

イリーナ・メジューエワ演奏
「展覧会の絵〜ライブ・イン・魚津」(上)、
シューマン＜交響的練習曲＞＆
ベートーヴェン＜ピアノ・ソナタ第31番 ＞(下)
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　クラシックのＣＤを制作、販売している「若林工房」(魚津市新金屋、若林忠嗣代表)の作品が、音楽雑誌『レコード芸術』(音楽之友社発行)の特選盤にこれまで5回選ばれるなど、音楽評論家やクラシックファンから高い評価を得ている。若林工房は、音楽愛好家で、魚津市にある新川文化ホールの振興協議会副会長や友の会「ミラージュホール・クルー」の副運営委員長を務め、同ホールの企画・運営などに携わっている若林氏が2003年に設立した地方レーベルで、これまでに9枚のＣＤを制作している。

　特選盤となったのが、第1作／イリーナ・メジューエワ演奏(ピアノ)のショパン「スケルツォ集」、第2作／ヴァレリー・アファナシエフ演奏(ピアノ)のベートーヴェン「最後の3つのソナタ」、第3作／メジューエワ演奏の「テンペスト＆幻想曲」、第6作／メジューエワ演奏の「夜の風〜メトネル作品集」、第 8作／メジューエワ演奏の「展覧会の絵〜ライブ・イン・魚津」の5作品で、メジューエワさんの演奏によるものが4作品となっている。

　若林氏が工房を立ち上げるきっかけになったのは、メジューエワさんとの出会い。5年ほど前に大手レコード会社に勤める中学時代の後輩からメジューエワさんを紹介され、演奏に魅了された。その後、魚津に招き、市内の保育園などでの出前コンサートにも出演してもらうなど、親交を深めるうち、ＣＤ制作で彼女の活動を応援しようということになったという。

　「第1作がいきなり特選盤に輝き、驚きました。イリーナ・メジューエワ演奏による特選盤はすべて新川文化ホールで録音されたもの。新川文化ホールは、音響が素晴らしいと多くの音楽家が言ってくれています。日本、世界から多くの音楽家がホールにやってきて、演奏してくれればうれしい。地方から文化を発信したいですね」と若林氏は話している。

●魚津の地形の美しさに感動
　イリーナ・メジューエワさんはロシア人ピアニスト。ゴーリキ−に生まれ、モスクワのグネーシン特別音楽学校とグネーシン音楽院で学んだ後、1992年ロッテルダムで行われたＥ.フリプセ国際コンクールでの優勝をきっかけにオランダ、ドイツ、フランスなどで公演を行い、1997年より日本を本拠地として活動を続けている。

　メジューエワさんは、日本の地方、とりわけ魚津市を愛しているという。初めてのライブ録音となったＣＤ「展覧会の絵〜ライブ・イン・魚津」のライナー・ノ−ツには、「−−−私がまず感動を覚えたのはこの町の地形の美しさでした。一方の側には、山頂が雪で覆われた山並みが連なり、もう一方の側には、神秘的な蜃気楼を生み出す、厳しい様相の広い海が横たわっています。そして、この地の人々も、その人間的スケールの点では、彼らを取り巻く海や山の自然に少しもひけをとりません。この町を知ってから、私は、すべての事柄がどれほど人間の力に左右されているか、すなわち文化の未来もいかに私たち次第であるということを再認識したのでした−−−21世紀は地方の時代だと言われています。これからは本物の世界は地方から生まれ、発達していくのではないでしょうか。 −−−」と地方賛歌のエッセイを寄せている。演奏家と聴衆の関係を越えた次元で、いかに深く魚津と関わり、大きく影響を受けてきたか、うかがい知ることができるだろう。

　7月25日(月)には、若林工房9作目のＣＤとして、メジューエワさんの演奏による「シューマン＜交響的練習曲作品13＞＆ベートーヴェン＜ピアノ・ソナタ第31番変イ長調作品110＞」が発売された。交響的練習曲に対して、「スケール感と繊細優美な表現を併せもつ見事な演奏」、ピアノ・ソナタ第31番には、「終楽章＜嘆きの歌＞とフーガにおける清澄で深みのある表現に演奏家の深化の後が鮮やかに刻まれている」と評論家から高く評価されている。メジューエワさんの今後の活躍に期待したい。

　なお、若林工房からメジューエワさんの演奏によるＣＤ「シューマン＜交響的練習曲作品13＞＆ベートーヴェン＜ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調作品110＞」を5名様にプレゼント。電子メールに、郵便番号・住所・氏名・電話番号、記事を読んでのご感想をご記入のうえ、表題を「ＣＤ」と明記してkoho1@pref.toyama.lg.jpへお送りください。＜締切りは８月７日(日)＞（発表は発送をもって代えさせていただきます。）




問い合わせ
●若林工房
TEL.0765-22-2399
FAX.0765-22-8666
http://www.nice-tv.jp/~waka-kb/