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2006年 3月 1日 [ トピックス ]
No.237-2:中心市街地活性化の全国モデルを目指して
近年、モータリゼーションの進展、大型店の郊外展開などにより、全国の地方都市で中心市街地の空洞化が進んでいる。そんななか、富山県は、昨年11月に経済産業省・国土交通省に対して提言を行ったほか、県広域まちづくり商業振興懇談会を設置し、中心市街地活性化や大型店の立地等に関する方策を検討してきた。このほど同懇談会で「広域的なまちづくりのあり方に関する提言」がまとめられた。この提言を受け、中心市街地活性化の全国モデルを目指し、様々な取組みを積極的に支援していくことにしている。
●中心市街地活性化や大型店の立地に関する提言まとまる
近年、モータリゼーションの進展、大型店の郊外展開などにより、全国の地方都市で中心市街地の空洞化が進んでいる。
そんななか、富山県は、「大規模集客施設について、都道府県が広域的な観点から立地調整できる仕組みの創設」、「中心市街地への都市機能の集中や商店街の振興等が総合的に行える支援制度」について、昨年11月に経済産業省・国土交通省に対して提言を行った。現在、国会に提出されている都市計画法等のいわゆる「まちづくり三法」の改正案は、富山県の要望事項が概ね盛り込まれたものとなっている。
また、市町村や学識者、消費者などの関係者をメンバーとする県広域まちづくり商業振興懇談会(会長:西頭徳三富山大学学長)を設置し、中心市街地活性化や大型店の立地等に関する方策を検討してきた。このほど同懇談会で「広域的なまちづくりのあり方に関する提言」がまとめられた。
提言では、人口減少・超高齢化社会の到来を見据え、自動車の利用者以外にも利便性の高いまちづくりが必要としている。中心市街地は、居住や商業、サービス、オフィス、教育、文化、医療などが集積する「地域の顔」。地域活力の維持・向上には魅力ある商業空間やにぎわいの核となる中心市街地の再生が不可欠としている。
中心市街地の再生には、自分たちで考え、行動する商店街(がんばる商店街)に県が重点的に支援する制度を提言。たとえば、商店街や大型店、駐車場等が連携する共同イベント、空き地・空き店舗の文化・教養・娯楽施設等への有効活用、商店街の魅力を向上させる景観の整備、地産地消・共通サービスの実施など、アイデアを凝らした様々な取り組みへの支援が挙げられている。
●大型店の無秩序な郊外展開を望ましい形に誘導
富山市の中心市街地は、人口密度や人口割合が著しく低下し、人口集中地区の人口密度が平成12年には全国の県庁所在地の中で最下位となった。また、富山市中心部の歩行者の通行量も昭和 61年の4分の1にまで激減している。中心市街地衰退の原因として、県民アンケート調査では「大型商業施設や公共公益施設等の郊外への出店、移転」、「モータリゼーションの進展」、「居住人口の減少」などが挙げられている。
富山県内では、小売業全体の販売額が平成9年をピークに減少傾向となっており、店舗数も減少している。逆に売り場面積は増加しており、都道府県別の人口千人あたりの売場面積は全国第2位。郊外を中心に大型店は、店舗数、販売額、売り場面積ともに増えている。
提言では、大型店のような大規模集客施設の無秩序な郊外展開には、地域にとって望ましい形に誘導することが必要としている。その立地については、利便性が高く、すでに一定程度の社会資本が整えられ、都市機能の集積がみられる地域が適当としているが、今後の都市計画法等の改正を踏まえ、周辺市町村や住民の意見を聞いたうえで、広域的なまちづくりの観点から適正な立地を促進する必要があるとしている。
この提言を受けて、県の新年度の当初予算案に「がんばる 商店街支援事業」や「中心市街地活性化基本計画」等を予算化。商店街の商業者や地権者が自らの魅力や集客力を高めるために考え、実行する活性化に向けた取り組みを後押しすることになる。また、改正される中心市街地活性化法では、市町村が策定する基本計画の国による認定制度が創設され、認定地域へ重点的な支援がなされることから、本県において第一号の認定が受けられるよう、基本計画策定に取り組む市町村を支援も行う。
富山県では、中心市街地活性化の全国モデルとなるよう、様々な地域のアイデアを活かした新しい取組みを積極的に支援していくことにしている。
問い合わせ
●富山県商工労働部商業流通課
TEL.076-444-3253
FAX.076-444-4403
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1306/