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2006年 2月 8日 [ トピックス ]
No.234-2:富山ミュージアムバスで篁牛人の水墨画の世界へ
富山市内に点在する公立の美術館、博物館を結ぶ「富山ミュージアムバス(愛称:ぐるりん)が美術ファンや観光客に好評だ。運行1周年を記念し、富山県水墨美術館と富山市篁牛人記念美術館では、篁牛人(たかむらぎゅうじん)に焦点をあてた共同企画展が開催されている<3月12日(日)まで>。
●ぐるりんで富山市内の美術館・博物館を巡る
富山市内に点在する公立の美術館、博物館を結ぶ「富山ミュージアムバス(愛称:ぐるりん)が美術ファンや観光客に好評だ。運行1周年を記念し、富山県水墨美術館と富山市篁牛人記念美術館(富山市民俗民芸村内)では、篁牛人(たかむらぎゅうじん)に焦点をあてた共同企画展が開催されている。県水墨美術館のタイトルは「富山が生んだ水墨画の鬼才 篁牛人展」、富山市篁牛人記念美術館は「篁牛人の渇筆(かっぴつ)」で、会期も2月3日(金)から3月12日 (日)までにそろえた。
「ぐるりん」は昨年3月から運行がスタートした運賃無料のバスで富山駅南のCiCビル横を発着点に、市内に点在する美術館、博物館を巡回している。車体は子どもや高齢者の乗降にやさしい低床型の小型バス(37人乗り)。「ART」や「Museum」、「History」などの文字や、モナリザなどをモチーフにした外観デザインが印象的。
城南ルートと呉羽山ルートの2つのルートがあり、1時間間隔(1便10:00発、最終便16:00、1日7便)で運行しており、城南ルート、呉羽ルートを交互に回る8の字ルートとなっているのが特徴だ。
(「ぐるりん」時刻表・地図はこちらhttp://www8.city.toyama.toyama.jp/kanko/i_benri/i_benri.html)
CiCビル横から県水墨美術館へ向かうには毎時30分発に乗車し、6分後に下車。作品を鑑賞して、1時間後、2時間後の36分発のバスで民俗民芸村(富山市篁牛人記念美術館)へというプランが設定できる。
乗車は無料だが、日付印(当日のみ有効)のある専用パンフレットが必要で、専用パンフレットはCiCビル1階の総合案内、CiCビル横のエクセルホテル東急のフロント、各施設の受付で発行されている。
●渇筆という牛人独特の技法を鑑賞
富山県水墨美術館の「富山が生んだ水墨画の鬼才 篁牛人展」では、篁牛人の初期から晩年にいたる大作を中心に代表作品や資料が約50点、富山市篁牛人記念美術館の「篁牛人の渇筆」では中作、額装など約40点が展示されており、渇筆という牛人独特の技法で描かれた美の世界と足跡が紹介されている。
牛人は明治34年、富山市にある善照寺(浄土真宗本願寺派)の次男として生まれた。図案家として出発するが、昭和15年頃から画作に専念し、ピカソや藤田嗣治、小杉放庵らの影響を強く受けたとされる。復員後の昭和22年頃から渇筆描法を用い始め、独自の水墨画の世界を展開する。この描法は、筆に含ませる墨の量を少なくしたり、筆を紙に擦りつけることによって生じるかすれを利用するも。
墨の濃淡を自在にこなした迫力、極端にデフォルメしたふくよかな人物表現など、力強さと繊細さをあわせ持った独自の画風が魅力だ。
画題は主に、東洋の思想を基盤に故事や仏教説話に関するものが多く、生家が寺院であったことや若くして経典や和漢の書籍に親しんだことがその理由として考えられる。牛人は、富山で作家生活を送った。特定の師につくことや美術団体に所属することなく、自由奔放な生き方を貫き通したことで、評価は遅かったが、類いまれなるその画才は近年、再評価されている。
県水墨美術館では、僧と虎が対峙する「国清寺」(紙本墨画・屏風六曲一双)や、不老不死の霊薬をもつとされる伝説上の仙女・西王母を描いた「西王母と小鳥」、「婆羅門の図」(紙本墨画・額装)、「老子出関の図」(紙本墨画・額装)、篁牛人記念美術館所蔵の「蛟龍」(紙本墨画彩色・屏風六曲一双)、「竹林虎」(紙本墨画・襖<二面>)、「羅浮仙・林和靖」(紙本墨画・屏風六曲一双)など見ごたえのある作品が並ぶ。篁牛人記念美術館では、豊満な体をもつ鬼女の姿を描いた「雪山淫婆」、大作の「山姥と金時」などの作品が鑑賞できる。
ぐるりんで県水墨美術館と篁牛人記念美術館を巡り、牛人の世界を堪能してみたい。
問い合わせ
●富山県水墨美術館
TEL.076-431-3719
FAX.076-431-3720
http://www.pref.toyama.jp/branches/3044/3044.htm
●富山市篁牛人記念美術館
TEL.076-433-9215
<富山ミュージアムバス「ぐるりん」>
●富山市教育委員会生涯学習室
TEL.076-443-2138
FAX.076-443-2194