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2014年 4月 9日 [ トピックス ]

No.652:県内3つの曳山行事、ユネスコ無形文化遺産登録へ提案

富山県の「高岡御車山祭の御車山行事」(高岡市)、「魚津のタテモン行事」(魚津市)、「城端神明宮祭の曳山行事」(南砺市)など、全国32件の国の重要無形民俗文化財の曳山行事からなる「山・鉾・屋台行事」の提案書が、ユネスコ無形文化遺産の平成27年審査案件としてユネスコに提案された。早ければ、平成27年11月の審査が見込まれる。

●全国32件の国の重要無形民俗文化財の曳山行事を一括提案


▲高岡御車山祭の御車山行事

 無形文化遺産は、平成18年発効の「無形文化遺産の保護に関する条約」により、世界各地の祭礼行事や芸能、社会的習慣、伝統工芸技術などを保護している。平成25年12月現在、世界全体での無形文化遺産は281件、日本国内では、同年12月に登録された「和食:日本人の伝統的な食文化」を含めて22件が登録されている。

 一括提案された「山・鉾・屋台行事」に、富山県の「高岡御車山祭の御車山行事」、「魚津のタテモン行事」、「城端神明宮祭の曳山行事」の3件が含まれており、これは、富山の伝統文化の価値や魅力が高く評価されたものといえる。また、来年春の北陸新幹線開業に向けて富山県の全国へのアピールになるとともに、県民のふるさとの歴史と文化に対する再認識につながることが期待される。

 「山・鉾・屋台行事」は、最短で平成27年11月の第10回ユネスコ政府間委員会での審査が見込まれる。

 県内の3件を紹介しよう。「高岡御車山祭の御車山行事」は、加賀藩初代藩主・前田利家が豊臣秀吉から拝領した御所車(ごしょぐるま)を、二代藩主で高岡開町の祖・利長が高岡の町民に与え、城下を曳き廻らせたのが始まりとされ、約400年の歴史がある。毎年5月1日、金工・漆工・染織などの技術の粋を尽くした絢爛豪華な7基の山車(だし)が山町筋~関野神社を巡行する。国の重要有形民俗文化財に指定されている山車の一番上の「鉾留(ほこどめ)」と呼ばれる飾りは、通町(とおりまち)が鳥兜、御馬出町(おんまだしまち)は胡簗(やなぐい)に弓矢、守山町は五鈷鈴(ごこれい)、木舟町は胡蝶、小馬出町(こんまだしまち)は太鼓に鶏、一番街通は釣鐘、二番町は桐葉である。

●自然、食とともに富山の伝統文化の魅力を発信


▲魚津のタテモン行事(左)
▲城端神明宮祭の曳山行事(右)

 大漁と海上の安全を祈って約300年前から始まったとされる「魚津のタテモン行事」は、毎年8月第1金・土曜、魚津市・諏訪神社の祭礼で高さ約16mの帆柱型の心棒に90余りの提灯をつるし、長さ約10m、総重量約5tもあるそり台に立てた「タテモン」7基を威勢よく曳き回す勇壮華麗な行事。何百という提灯のあかりが夜空を彩る。大型の三角形は、神前に供え物を山と積んだ形、あるいは帆をあげた漁船をかたどったものとされ、神前に供え捧げたてまつるという言葉が変化し、「たてもん」と呼ばれるようになったと伝えられている。

 「城端神明宮祭の曳山行事」は、城端神明宮の春の例祭として毎年5月4日・5日に行われる。約300年の伝統を誇る優雅な祭で、獅子舞、神輿、剣鉾(けんぼこ)、傘鉾(かさぼこ)、庵屋台(いおりやたい)、6基の曳山が“越中の小京都”といわれる城端の趣のある町を練り歩く。京都祇園の一力茶屋などを模した精巧な庵屋台がそれぞれの曳山を先導。庵屋台の中では、笛、三味線、太鼓の音にのせて、庵唄が唄われる。6基の曳山は彫刻や飾り金具で装飾された漆塗りの豪華なもの。4日は宵祭で、各山宿で御神像を飾り、5日に御神像を曳山の上に移して巡行する。

 富山県生涯学習・文化財室では、「本県の曳山行事3件が含まれることは、本県の曳山行事が歴史的にも文化的にも高く評価されたものであり、平成27年春の北陸新幹線開業に向けて喜ばしいことである。できるだけ早期の登録を要望するとともに、今後とも伝統文化の保存と継承に努めていきたい」と話している。

問い合わせ
●富山県 教育委員会 生涯学習・文化財室
TEL.076-444-3456
FAX.076-444-4434
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/3009/

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