イベント

アーカイブ

2001年 12月 5日 [ イベント ]

No.084-1:小杉左官の伝統の技が冴える、竹内源造の鏝絵


●左官職人・入江長八と並び評される腕前

 11月20日から小杉町・旧町立図書館で常設展示が始まった「竹内源造鏝絵展」に、全国の鏝絵ファンから熱い視線が注がれている。
 小杉町出身の竹内源造(1886~1942)は、明治後期から昭和初期にかけて活躍した左官職人。白壁に鏝で漆喰を塗り上げ、縁起物などを浮き彫りに描く芸術作品「鏝絵」の吊人として知られている。明治34年に15歳の若さで東京帝国ホテルの貴賓室の鏝絵を仕上げて以来、その腕前は全国に知れ渡り、当時やはり吊人と呼ばれていた静岡県松崎町の左官職人・入江長八と並び賞された。
 源造の鏝絵は、小杉左官の伝統を引き継ぐ豪放な技法で描かれた浮き彫りの模様に特徴がある。富山県内には源造の鏝絵が40点以上残されているが、なかでも砺波市・吊越家の土蔵にいまも残る鏝絵は、幅18メートル、深さ18センチメートルもあるもの。巨大な二匹の龍が向き合った迫力あるもので、国内最大級の鏝絵といわれている。

 
●源造の遊び心が感じられる作品群  

 旧町立図書館の館内では、4羽のタンチョウヅルの優美な姿を彫った「鶴と雲」、精緻な甲羅を描いた「亀と波」など源造作品7点のほか、源造の父・勘吉の手による作品2点、源造が使用したこてやへら、文献などが常設展示されている。
 エントランス横に飾られた「恵比寿・大国」(町指定文化財)は、取り壊される直前の製薬会社の古い建物から切り取られ、移設されたもの。俵に乗った大国様と、鯛に乗った恵比寿様の姿がなんともユーモラスだ。恵比寿様が釣竿の代わりに日の丸の小旗を持つなど、随所に源造の遊び心が感じられる。
 2階のマントルピースの上部に装飾された「鳳凰」は、広げた羽の一枚一枚に緻密な細い線が入れられており、鳳凰が壁面からいまにも飛び出すかのような生き生きとした作品。ガラスがはめ込まれた目の鋭さも印象的だ。
 小杉町では「鏝絵の小杉」を全国に発信したいと、源造の鏝絵に期待を込めている。




問い合わせ
●旧小杉町立図書館
TEL(0766)55-4574
(施設の吊称は14年3月に決定される)

コメント

その他のイベント

ページの先頭へもどる↑