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2013年 8月 21日 [ トピックス ]

No.620-2:市電開業100周年! 路面電車、LRTの先進都市、富山へ

9月1日(日)、富山市の市内電車(市電)が開業100周年を迎える。これを記念して、富山地方鉄道は8000形車両をLED電球で装飾した「花電車」を運行中。市内電車環状線を走る「セントラム」には、花をデザインしたラッピング車両が登場した。富山市郷土博物館では企画展「市電開通!! 富山市の路面電車100周年」を開催中。路面電車に関連する話題として、富山ライトレールの“鉄道むすめ巡りラッピング電車”も紹介しよう。

●大正2年、日本海側初の路面電車として開業


▲開業100周年のロゴマーク(花電車)(左)
▲セントラムのラッピング車両(右)

 身近な足として親しまれ、富山の街なかの風景の象徴ともなっている「市電」。この市電は大正2年(1913)9月1日、日本海側初の路面電車として開業した。富山県が富直線(現在のJR北陸本線)の開通を記念し、富山市街地に隣接する堀川村(現在の富山いずみ高校の敷地)で開催した博覧会「一府八県連合共進会」にあわせ、富山電気軌道が富山駅前―小泉町(博覧会会場)で開通させたのが始まり。金沢市より6年、福井市より11年も早い開業だった。

 夕闇のなかを走る幻想的な光の車両に胸が躍る……富山地方鉄道が8月1日から運行を始めた「花電車」は、平成5年に導入された8000形車両にLED(発光ダイオード)の電球約15,000個がきらめく華やかなもの。大正時代の車両をデザインしたロゴマーク、「富山の市電は走り続けて100年」、「みなさまの笑顔をのせて」のサインがあしらわれている。「花電車」が走るのは、富山市制100周年を記念して以来、約20年ぶり。10月13日(日)まで、第1系統(南富山駅前~富山駅前間)、第2系統(南富山駅前~大学前間)で毎日運行。珍しい花電車をぜひ見てほしい。

 平成21年12月に開業した市内電車環状線「セントラム」。市電開業100周年を迎えるのを記念し、登場したラッピング車両(1台)は、セントラムのホワイトの車体の側面にピンクやブルー、グリーンなど色とりどりの花が咲く愛らしいデザイン。窓には「100th The Centennial Anniversary」などのメッセージが記されている。花柄で彩られた流線形の車両が街なかを走るシーンは近未来的で、見ているだけでも楽しい。運行は9月13日(金)まで。

●市電と富山のまちづくりとの関係、考察


▲当時の写真や行先表示板、
車両模型などを展示した企画展

 富山城址公園にある富山市郷土博物館の企画展「市電開通!! 富山市の路面電車100周年」<9月8日(日)まで>も必見だ。「なぜ、日本海側初の路面電車が富山に?」、「呉羽公園への延長開業―大正5年」、「日満博の開催と市内循環線の開業―昭和11年」、「社会情勢の変化と路線網の縮小―昭和40~50年代」、「市電復活への胎動―平成14年」などのパネルを読みながら、市電100年の歩みを振り返ってみよう。富山のまちづくりとの関係も見えてくる。

 展示では、大正~昭和と現在の電停付近、街並を写真や絵葉書で見比べることができる。市電を通して時代の移り変わり、街並の変貌を感じとれる貴重な時間となる。このほか、路線図や「東廻り」と記された行先表示板、電車に取り付けられていた「7022」の車号銘板、「3530形電車」・「7070形電車」といった模型、記念乗車券など貴重なものがずらりと並ぶ。富山ライトレール、市内電車環状線と、公共交通を軸とした拠点集中型の「コンパクトなまちづくり」の実現を目指している富山市の取り組みに触れることもできる。会場には、県外からの観光客やファミリー、女性の姿も目立つ。電車が観光資源であることに気づかせてくれる企画展といえる。

●鉄道むすめ巡りラッピング電車、運行中


▲ポートラムの鉄道むすめ巡りラッピング電車

 富山駅北と岩瀬浜を結ぶLRT(次世代型路面電車システム)、富山ライトレールの“鉄道むすめ巡りラッピング電車”<9月30日(月)まで>もお見逃しなく。7編成あるポートラムのうち、赤色と青色の2編成に、スタンプラリーイベント「全国“鉄道むすめ”巡り2nd」に参加している15人の鉄道むすめをラッピング。富山ライトレールのオリジナルキャラクターであり、ポートラム・アテンダントの「岩瀬ゆうこ」やのと鉄道の「和倉ななお」、富士急行の「大月みーな」など15人の鉄道むすめがロープを手に“電車ごっこ”をするイメージのイラストが描かれている。鉄道むすめたちはいずれも愛らしく、電車ファン、アニメファンならずとも胸が高鳴る。

 “鉄道むすめ巡りラッピング電車”やポートラム、鉄道むすめに関係した風景、沿線を背景にした人物の写真などを対象にした「PORTRAM×鉄道むすめ PHOTO CONTEST」も開催中<応募:10月4日(金)まで>。写真を撮って応募しよう。詳細は富山ライトレールのホームページ(http://www.t-lr.co.jp)にて。また、岩瀬カナル会館では、鉄道むすめパネルや限定携帯フォトフレームをダウンロードできるQRコード付きの岩瀬ゆうこ特大POP(パネル)が9月30日(月)まで設置されているので、ポートラムに乗って港町・岩瀬へ出掛けたい。

問い合わせ
富山地方鉄道の「花電車」について
●富山地鉄テレホンセンター
TEL.076-432-3456
http://www.chitetsu.co.jp/

「セントラムのラッピング電車」について
●富山市都市整備部路面電車推進室
TEL.076-443-2115
FAX.076-443-2177
http://www.city.toyama.toyama.jp/toshiseibibu/romendenshasuishin/romendenshasuishin.html

企画展「市電開通!! 富山市の路面電車100周年」について
●富山市郷土博物館
TEL.076-432-7911
FAX.076-432-8060
http://www.city.toyama.toyama.jp/etc/muse/index.html

「鉄道むすめ巡りラッピング電車」について
●富山ライトレール(株)
TEL.076-426-1770
FAX.076-426-1775
http://www.t-lr.co.jp

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