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2011年 3月 30日 [ トピックス ]
No.500-1:第1回富山県ものづくり大賞決定!
日本海側屈指の工業集積を誇る富山県。県が本年度に創設した「県ものづくり大賞」の大賞、優秀賞、特別賞が決定した。4月1日(金)には、県ものづくり研究開発センターが、高岡市二上の県工業技術センター敷地内にオープンする。研究開発の産学官連携拠点として期待が高まっている。
●大賞にコマツNTC(株)・「太陽電池向けマルチウエハースライサPV800H」
富山県が本年度に創設した「県ものづくり大賞」。第1回大賞にコマツNTC(株)の「太陽電池向けマルチウエハースライサPV800H」、優秀賞に東亜薬品(株)の「バンコマイシン眼軟膏1%」、特別賞にワシマイヤー(株)の「エコホイールRE-L」、(株)エムダイヤの「エコセパレ分離・破砕機」が決まり、3月29日、ホテルニューオータニ高岡で表彰式が行われた。
富山県は日本海側屈指の工業集積を形成し、ものづくりが産業・文化の発展を支えてきた。「県ものづくり大賞」は、ものづくりの活性化に寄与した企業の顕彰とともに、ものづくり機運の一層の醸成を図ることを目的に創設。県内に本社、主な事業所、研究開発拠点などを置く企業を対象に、3年以内に開発された技術、製品を表彰する。第1回県ものづくり大賞には、25件の応募があり、審査委員会が審査し、決定した。
コマツNTC(株)「太陽電池向けマルチウエハースライサPV800H」は、太陽電池用のシリコンウエハーを薄く切断する装置。ワイヤーの張力を安定化させるなど、高度な制御技術を開発し、歩留まりの向上と生産時間の短縮、加工コストの低減を実現。世界シェアの50%を占めるなど、市場での評価も高い。
東亜薬品(株)の「バンコマイシン眼軟膏1%」は、MRSA(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)感染症の治療薬バンコマイシンを、独創的な技術で世界で初めて眼軟膏剤として製品化。日本眼感染症学界からの要請により開発されたもので、高い治療効果を実現した。
ワシマイヤー(株)の「エコホイールRE-L」は、高度な鍛造技術に、新鍛造シミュレーションと改良型3D解析技術を融合させることで、従来品より35%軽量化したエコカー用アルミホイール。(株)エムダイヤの「エコセパレ分離・破砕機」は、廃家電・廃車両部品などをリサイクルするため、粉砕と分離の工程を1台の装置内で行える。刃の消耗が激しい切断ではなく、独自の剥離技術を用いることで、作業工程を大幅に削減した。
●最先端設備で研究開発支援、ものづくり研究開発センター
富山県ものづくり研究開発センターが、4月1日(金)、高岡市二上の県工業技術センター敷地内にオープンすることも話題だ。最新の分析機器や精密加工機械など26の研究設備が設けられており、産学官の連携や異業種融合による革新技術の創出、新製品開発、優れた人材の育成など、“ものづくり産業振興の拠点”を目指す。
同研究開発センターは、電波暗室棟、先端研究棟、開発支援棟で構成されている。電波暗室棟(電子分野)には、電子機器などから放出される電磁波の測定や、電磁波の影響を試験できる10m法電波暗室などを備える。国際基準に照らしたデータが得られる設備であり、東海北陸地域の公的機関では初の設置となる。
先端研究棟には、ナノメータレベルの3次元形状を可能にする超精密切削加工機(機械分野)や、摩擦熱によって軟化した金属材料を攪拌し接合させる2次元摩擦攪拌接合装置(金属分野)、高性能特殊樹脂を少量でも射出成形できる小型射出成形機(プラスチック分野)、発汗量や皮膚温度を制御できる発汗サーマルマネキン(繊維分野)、金属やセラミック、複合材料などの微細構造を観察・解析する透過型電子顕微鏡(共通分野)など、最先端の設備が導入されている。
開発支援棟には、企業スペース、プロジェクトスペース合計14室が設けられており、研究開発型の企業や産学官の共同研究グループにスペースを貸し出す。
富山県商工労働部商工企画課では、「ものづくり研究開発センターは、最先端設備と既設の県工業技術センターのポテンシャルを生かし、世界に飛翔する新技術・製品の研究開発を支援する産学官連携の施設。企業から要望の多かった設備、装置を充実させた。多くのものづくり企業に利用していただきたい」と話している。
問い合わせ
●富山県商工労働部商工企画課 新産業科学技術班
TEL.076-444-9606
FAX.076-444-4401
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1301/